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節税効果のある3つの企業共済とは

節税効果のある企業共済とは

会社経営を行ううえで避けて通ることができないのが節税対策です。ここでは、損金として算入でき、節税効果が期待できる3つの企業共済や法人保険について紹介していきます。

中小企業退職金共済(中退共)

中退共は、中小企業が従業員の退職金を積み立てるために、国によって設けられた制度です。原則として従業員全員が加入しなければなりません。会社は、従業員の掛金を決め、毎月中退共に納めるだけでよく、余分な事務作業や、手数料、運用リスクによる追加出費は発生しません。

中退共のメリット

  • ・掛金を月額5,000円~3万円の間で16通りから選ぶことができる
  • ・国から掛金の助成を受けることができる(新規加入時や掛金増額時など)
  • ・掛金は事業主が支払うため、会社側で掛金の全額を損金として算入することができ、従業員側でも給与扱いされない
  • ・中退共から従業員へ直接退職金が支払われるため、退職金支払い時に会社に赤字算入されない

中退共のデメリット

  • ・掛金は事業主側で活用することができない
  • ・途中解約した場合でも共済金は従業員へ支払われる
  • ・懲戒解雇による退職でも必ず退職金が出る

途中解約には厚生労働大臣の認可が必要

途中解約ができるのは、従業員による同意が得られた場合、または掛金の納付を継続することが困難であると厚生労働大臣が認めたときに限られます。事業主の判断により途中解約することはできません。

また、途中解約した場合でも、解約金は掛金を支払っていた事業主ではなく、全額従業員に支払われることになります。解約手当金は、税法上「一時所得」として取り扱われ、同じ年に得たほかの一時所得と合わせて50万円(特別控除額)を差し引いた金額が課税対象となります。

小規模企業共済

中退共が従業員のための退職金制度であるのに対し、小規模企業共済は経営者のための退職金制度といわれています。ある程度の長期間、きちんと掛金を支払い続けることで、払い込んだ額以上のお金を受け取ることができます。小規模企業共済に加入せず、掛金相当の金額を自分で貯蓄する場合と比べ、60%程度増やせる場合もあります。また、会社と加入者自身の双方にとって節税ができるのも特徴です。

小規模企業共済のメリット

  • ・掛金が最大84万円まで損金算入できる
  • ・個人に対して所得税がかからない
  • ・契約者貸付制度が利用できる
  • ・36ヶ月(3年)以上の加入で、掛金総額よりも多くの共済金を受け取ることができる
  • ・共済金は一時金方式または年金方式の2通りの受け取り方法が選べ、税負担を軽くできる

小規模企業共済のデメリット

  • ・加入後20年未満で解約した場合、掛金の合計額を下回った全額しか返ってこない
  • ・掛金を減額した場合、減額分はその後運用されないまま放置されてしまう
  • ・法人保険と比較すると事業保証の役割が期待できない

中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)

中小企業倒産防止共済とは、取引先の企業が倒産した場合に多額の売掛金を回収できなくなることで自分の会社が倒産してしまう、いわゆる連鎖倒産に備えるための共済制度です。経営セーフティ共済とも呼ばれています。

中小企業倒産防止共済のメリット

  • ・掛金を月額5,000円~20万円で設定できる
  • ・年240万円、累計800万円(3年4ヶ月)まで全額が損金として算入できる
  • ・40ヶ月(3年4ヶ月)以上加入していれば解約時に掛金の全額が戻ってくる
  • ・無担保、低利息での貸付を受けられる
  • ・債権回収が困難になった場合、払い込んだ掛金の10倍(最大8千万円)まで共済金の貸付を受けられる
  • ・解約や再加入がいつでもできる

中小企業倒産防止共済のデメリット

  • ・貸付を受けた場合、共済金貸付額の10分の1に相当する額を掛金から控除され、その分の権利が消滅する
  • ・納付期間が40ヶ月(3年4ヶ月)以下の場合は元本割れする
  • ・解約返納金を受け取った場合、全額が利益となるため課税対象になる

中小企業倒産防止共済に加入するには

中小企業倒産防止共済は、1年以上継続して事業を行っている中小企業が加入対象となっています。加入する際には、金融機関や商工会議所、商工会などが窓口となっています。

法人保険

法人保険とは、会社の経営者や従業員に対する生命保険とあわせて節税対策や退職金の財源確保など、総合的に企業経営をサポートできる保険です。一般的な保険とは異なり、税務上の恩恵を受けられることが重要なポイントです。

法人保険のメリット

  • ・保険料の全額もしくは一部を損金として算入できる
  • ・解約返戻金を会社の運転資金として運用できる
  • ・決算期直前でも行える場合がある
  • ・節税しながら保険内容に応じた保障が受けられる

法人保険のデメリット

  • ・解約のタイミングを間違えると損をする可能性がある
  • ・払込保険料の全額を経費として認められない商品がある
  • ・解約返納金を受け取った際には雑収入として課税対象となる

法人保険に加入する際の注意点

法人保険は利益を保険料に使うため、会社全体のキャッシュフローに大きく影響します。一時的な節税にはなりますが、現金が減るため、突発的な支出が必要になった場合の対応が難しくなることも考えられます。そのため、想定外の経営トラブルや将来的なキャッシュフローを試算し、しっかりと考慮したうえで保険料を設定する必要があるでしょう。また、解約時返戻金を受け取る際には、役員の退職金などで損金として計上するなど、支出計画を立てる必要があります。

国の制度を活用して節税の効果を最大限に

中小企業に限らず、経営者の方が頭を悩ませるうちの一つが節税対策です。税金は少しでも抑えたいのは誰もが思うこと。そのために経営者の方ができることとしてあげられるのが、中退共や小規模企業共済、中小企業倒産防止共済です。

中退共は損金として計上できるうえに、国の制度のため外部の積み立てとしての安心感も得られます。さらに、人材採用の面では福利厚生の整った会社としてアピールできるため、積極的に導入していきたい制度です。条件によっては国から助成金を受けられるので、活用するとかなりの節税対策になります。

  • 01

    ルールに適した運用プランを立てることが重要

    気を付けたいのは、途中で解約するには厚生労働大臣の認可が必要です。また、加入する際には全従業員が加入しなければいけないため、会社の規模によっては莫大な金額になってしまうことも…。簡単に決められることでは無いので、会社の収益と損益のバランスを見て慎重に判断する必要があるでしょう。

    小規模企業共済は経営者のための退職金制度と言われており、条件によっては掛金相当の金額を自分で貯蓄するよりも60%程度増やせるケースもあります。個人に対しては所得税がかからないため、会社と加入者自身のどちらも節税でき、上手に活用することでトータルの額にはかなりの違いが出てくるでしょう。

    しかし、加入して20年未満で解約した場合には掛金を下回る金額しか返還されないため、かなりの長期間でプランを立てなければいけません。

  • 02

    最終的なセーフティーネットとして活用すると良い中退共

    中小企業倒産防止共済は、取引先の企業から売掛金が回収できなくなり自社が倒産してしまう状況を防止するための制度です。売掛金など債権回収が困難になった場合には、払った掛金の10倍まで共済金の貸付を受けられるため、卸業に限らず経営のセーフティーネットとして加入しておきたい制度と言えます。40ヵ月以上加入していれば解約時の掛金が全額戻ってくるのですが、返納金を受け取った場合には全額利益となってしまうため、課税対象とみなされるので注意が必要です。

    企業の規模や従業員の数を考慮しておきたい退職金制度は、従業員の福利厚生として事前に備えておくことでいざという時の強い味方になってくれます。また、賠償責任保険なども同様に、万が一のリスクを考えておく必要もあるでしょう。不測の事態は急にやってくるため、その時に備えしっかりと準備をしておくのは経営者としてとても重要です。