中退共は、中小企業が従業員の退職金を積み立てるために、国によって設けられた制度です。原則として従業員全員が加入しなければなりません。会社は、従業員の掛金を決め、毎月中退共に納めるだけでよく、余分な事務作業や、手数料、運用リスクによる追加出費は発生しません。
中退共のメリット
- ・掛金を月額5,000円~3万円の間で16通りから選ぶことができる
- ・国から掛金の助成を受けることができる(新規加入時や掛金増額時など)
- ・掛金は事業主が支払うため、会社側で掛金の全額を損金として算入することができ、従業員側でも給与扱いされない
- ・中退共から従業員へ直接退職金が支払われるため、退職金支払い時に会社に赤字算入されない
中退共のデメリット
- ・掛金は事業主側で活用することができない
- ・途中解約した場合でも共済金は従業員へ支払われる
- ・懲戒解雇による退職でも必ず退職金が出る
途中解約には厚生労働大臣の認可が必要
途中解約ができるのは、従業員による同意が得られた場合、または掛金の納付を継続することが困難であると厚生労働大臣が認めたときに限られます。事業主の判断により途中解約することはできません。
また、途中解約した場合でも、解約金は掛金を支払っていた事業主ではなく、全額従業員に支払われることになります。解約手当金は、税法上「一時所得」として取り扱われ、同じ年に得たほかの一時所得と合わせて50万円(特別控除額)を差し引いた金額が課税対象となります。