災害などでオフィスや備品が被害に遭ったとき、保険でその損害分の費用を賄えることがあります。しかしながら知的財産侵害にあった場合、被害額ははっきりしませんし、相手は災害ではなく企業や人物です。知財訴訟費用保険は訴訟費用などを補償してくれる保険となっています。
知財訴訟費用保険は、知的財産損害にあった、あるいは訴えられた場合の訴訟などの費用を補償してくれるものです。知的財産にもさまざまな種類がありますが、具体的には以下の4つが主な対象となります。
- ・特許権
- ・意匠権
- ・実用新案権
- ・商標権
これらを侵害、あるいは侵害されそうになったときには、話し合いや訴訟を起こす必要があるため、そのための費用を補償してくれます。具体的には以下のようなものがあげられるでしょう。
- ・訴訟または仲裁に関する手数料
- ・弁護士、弁理士費用
- ・鑑定費用
- ・訴訟コンサルタント費用
これまでは物理的な損害に対する保険が重視されてきましたが、インターネット通信によってスマートフォンやタブレットなどが必需品になるなど、ITが発展してきた現代では、世界的に知的財産権を保護する動きが活発化してきました。特にアメリカでは知的財産権保護強化を推進しており、日本の企業の意識も変化しているのです。
企業が製造・販売している商品が、知的財産権を侵害したとして訴えられる事案も増えています。大企業ならまだしも、中小企業は訴えを起こされると多大な被害を受けてしまうため、このような保険が注目されているのです。