業績不振で会社が倒産したとき、経営者が負う責任とは?
順風満帆に成長してきた企業でも、売上が落ち込む時期もありますし、赤字転落・経営悪化に直面するリスクもあります。
例えば、自然災害や事故、景気の変化など外部要因により経営が傾くこともあるでしょうし、従業員の流出や放漫経営など経営悪化の理由が企業内にあることも考えられます。
こうした事業リスクが引き金となって会社が倒産した場合、経営者にどのような責任が生じるのか、またその責任に対して対策の立て方などをまとめました。
健全な経営を行うために、経営者はさまざまな事業リスクに対して適切な対処法を考える必要があります。ここでは、代表的な事業リスクと具体的な事例を取り上げ、経営者が負う責任や対策の立て方について紹介します。
事業リスクの種類と経営者が負う責任とは
企業が事業を行ううえでリスクは必ず生じます。そんなリスクの対策を立てるには、まず具体的にどのような事業リスクが生じるのかを知ることが重要です。
ここでは代表的な事業リスクについて、その要因や実際に起きた事例をまとめています。また、経営者が負わなければいけない責任についても紹介します。
業績不振で会社が倒産したとき、経営者が負う責任とは?
順風満帆に成長してきた企業でも、売上が落ち込む時期もありますし、赤字転落・経営悪化に直面するリスクもあります。
例えば、自然災害や事故、景気の変化など外部要因により経営が傾くこともあるでしょうし、従業員の流出や放漫経営など経営悪化の理由が企業内にあることも考えられます。
こうした事業リスクが引き金となって会社が倒産した場合、経営者にどのような責任が生じるのか、またその責任に対して対策の立て方などをまとめました。
ブランド力の低下やコンプライアンス違反もリスクの一因
予期せぬ事態で企業のブランドイメージをダウンさせることも、事業リスクのひとつです。
自社に対しての風評被害やネガティブキャンペーンが起きるかもしれませんし、従業員や経営者の不祥事(コンプライアンス違反など)によって、企業イメージが損なわれる可能性もあります。
近年は、品質に関するトラブルについて消費者がシビアになっています。信頼を失うだけでなく、場合によっては刑事事件に発展することもありますので、経営者は安全管理もしっかり対策していかなければなりません。
こうした事業リスクや、経営者の責任について紹介します。
製品の大量自主回収から重大事故への対応まで
欠陥製品や製品事故が原因で、経営状態が極めて悪化するケースがあります。特に大企業の大量生産製品でこのような事態が起きれば、リコールにともなう大量自主回収への対応で大きな損害を受けることになります。
また、製品事故が原因で消費者がケガや死亡する事態になれば、刑事責任と民事責任を負うことにもなります。
ここで、改めて消安法(消費生活用製品安全法)が定める製品事故の定義を確認し、事故が起きたい際の対応や経営者が負う責任について説明します。
自社ビルで起きた火災や転落事故、経営者の責任は?
ビル火災や転落事故、エレベータの開閉事故など、会社が所有または管理する建物や施設に不備があって、利用者が被害を受けるというケースも、事業リスクのひとつとして考慮すべき事案です。
利用者が大きなケガや死亡するということになれば、経営者は業務上過失致死傷に問われる可能性もありますし、民事上でも損害賠償責任が追及されることもあります。
リスクを未然に防ぐための対処法や、万が一起きてしまったときのことを考えて備えるべき方法をまとめました。
うっかりミスや不正アクセスを減らすには?
個人情報や、自社または取引先企業の機密情報などが流出する事件が後を絶ちません。リスク対策を講じているとはいえ、情報漏えいやデータ紛失事故の件数は、ここ数年増え続けているという調査報告もあります。
置き忘れや操作ミスといった、いわゆるヒューマンエラーについての対策だけでなく、ウイルス感染など外部からの攻撃にも備える必要があります。
いずれにしても、消費者や取引先に損害を与えれば賠償責任を追及されることも考えられますので、それに対して備えることも必要です。
増え続ける労災。セクハラ・パワハラも該当
労働災害には、業務中や通勤中に従業員が巻き込まれる事故やケガのほかにも、長時間労働などが原因で生じる病気・自殺・過労死、さらには不当解雇、セクハラ、パワハラなども含まれます。
こうした労働災害の被害にあって長期休業または亡くなった方は年間12万人にものぼり、決して他人事ではない事業リスクといえるでしょう。
場合によっては、従業員またはその家族が企業を相手取って訴訟を起こすケースもありますので、経営者は最悪の事態にも備えておく必要があります。
対法人相手の訴訟は高額賠償になる事例も多い
取引先にわたす商品に欠陥があったなど、相手に損害を与えた場合には損害賠償を請求される可能性があります。
また、経営者や経営陣の取った行為により企業が大きな被害を受けた場合には、会社に成り代わって株主が代表訴訟を起こすこともあります。
これらのケースの被害者は個人ではなく法人ですから、損害賠償請求額は高額になることがほとんど。なかには数百億円の支払いが経営陣に命じられた判決も、日本では増えています。
こうした事態に備えて、経営者がやっておきたいリスクマネジメントをご紹介します。
リスクマネジメントの進め方と、万一に備えたい保険
さまざまな事業リスクに対して、経営者は企業を守るためにリスクマネジメント(危機管理対策)を行うことが大切です。
リスクマネジメントとは、あらゆる事業リスクに対して、最小コストで予防または適切な処理をし、被害損失を最小限に抑える施策のこと。
その施策の立て方について、具体的にどのように進めていけばよいのかを、ここで紹介します。
また予期せぬリスクが起きたときに、手厚い補償がある保険も対策のひとつです。会社として備えておきたい保険についても案内します。
企業におけるリスクファイナンスの手法
リスクマネジメント(危機管理対策)を行うにあたり、最終的にはファイナンス(資金調達等)に行き着きます。
リスクファイナンスとは、万が一のリスクが顕在化した時に対応する、資金面での予防保全的な取り組みのことをいいます。
大きく分けて2つの方法論がありますが、リスクの移転にあたる保険加入などが一般的です。
ここでは、リスクファイナンスの概要をご紹介するとともに、経営者であれば検討すべき保険についても合せてご案内します。
一般論として「現場でのマニュアルの遵守の徹底」は、自然災害といった人為的なものを原因としないあらゆるリスクを除いて有効な方法です。人為的な事故、現場での接客対応、従業員の不祥事といったコンプライアンスの違反など、多くのリスクに対して業種を問わず行なえる、基礎的なリスクマネジメントの方法といえるでしょう。
とはいえ、現場の努力だけでクリアできるリスク対策は限られています。やはり経営者がいかに未然にリスクを防げるか、リスクが起きた際に素早く動けるか、それが会社を救うカギになります。
従業員のマネジメントも、リスク軽減のためには不可欠です。近年メディアで取り上げられることの多いパワハラやセクハラといった従業員間のハラスメントリスクを避けるためには、一定以上の役職についている従業員への研修などが重要となります。
また、残業や休日出勤など従業員の勤務状態に関するマネジメントも、「ブラック企業問題」として近年取り上げられることの多い過剰労働の問題を回避するために重要になってきます。
企業が事業を行ううえでリスクは必ず生じます。そんなリスクの対策を立てるには、まず具体的にどのような事業リスクが生じるのかを知ることが重要です。
ここでは代表的な事業リスクについて、その要因や実際に起きた事例をまとめています。また、経営者が負わなければいけない責任についても紹介します。
各種保険制度を利用することも、経営リスクの軽減を考える上で有効な方法の一つです。保険料の負担というデメリットこそありますが、損害保険や経営者保険などは、事故といった有事における損害賠償の負担を軽減や、経営者に万一のことが起こった際の経営上の損害を補填するなど、突発的に起こりうる損失の軽減に有効です。
他方で保険制度の利用によって享受できるメリットは、そうした発生してしまったリスクの軽減だけにはとどまりません。従業員向けの保険は、従業員が心置きなく働ける福利厚生面でのメリットが魅力。また、退職金を保証するタイプの保険であれば従業員への退職金支払いの原資にも活用できます。保険料の支払いは損金として計上できるため、節税にも有効です。
「顧問弁護士的な存在」へすぐに相談できる体制に
どれだけのマネジメントを行っていたとしても、事業リスクを100%回避できることはありません。会社経営を揺るがしかねないリスクが発生した際、その影響を最小限に抑えられるかの明暗は、如何に素早く、的確な最初の一手が打てるかで決まります。
的確な判断を下すためには、やはり法律の専門家である弁護士への迅速な相談が必須となります。ですが、社内に法務部がある、もしくは顧問弁護士がいる企業でもないと、どうしてもタイムラグが発生してしまうもの。
当サイトで紹介をしている「Legal Online」など、無料で弁護士へ相談ができるWEBサービスを活用することで、初動が変化するだけでなく、リスクを未然に防ぐマネジメントに繋がる可能性もあります。一度活用してみることをおすすめします。