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【社外リスク】業種別に見る会社の賠償責任事例
販売業(イメージ)
Risk 04

販売業

販売業の安全配慮義務や賠償責任とそのリスク

小規模店舗でも販売業としてはお客様や労働者、扱っている製品に対して安全配慮義務や賠償責任があり、経営のリスクになる点などを紹介します。

賠償責任保険で守る販売業ならではの思わぬリスク

販売業に求められる適切な管理体制とは

お客様と直接対面する機会が多い販売業には、ほかの業態とは異なる独自のリスク管理体制が求められます。従業員も含めた安全衛生管理や製造物責任など、あらゆるリスクが常に付きまといます。 裁判となるケースも全国で多発しており、リスク管理を確実に行わなければなりません。

  • 高齢者が転倒しショッピングセンターが訴えられる

    訴訟内容
    ショッピングセンターの床に落ちていたアイスで、高齢者が足を滑らせて転倒。ショッピングセンターがアイスの販売に伴う事故の予防対策を怠っていたとして、原告の請求の8割が認められる判決が下った。
  • コンタクトレンズの事故で眼科医に賠償金支払い命令

    訴訟内容
    コンタクトレンズを購入後、眼の病気を発症して眼科医に通っていた原告であったが、症状が改善せず、眼科医と販売会社を訴えた。裁判では、眼科医も販売店も安全管理義務を怠ったとして、425万円の賠償金の支払い命令が下された。
  • コンビニ店舗での事故でFC本部が敗訴

    訴訟内容
    コンビニ店で客が足を滑らせて転倒し、店舗でなくFC本部が訴えられた。FC本部に事故の直接的責任はないとされたが安全管理の指導について不足があったとして、FC本部にも200万円の支払い命令が下った。

販売業は比較的事故の少ない業態に思われがちですが、アクシデントは突然起こるもの。想定外のトラブルは業務遂行の大きなリスクであるため、賠償責任保険への積極的な加入は不可欠です。 各社の賠償責任保険の特徴は以下のページにまとめていますのでご参照ください。

販売業における安全配慮義務・賠償責任

広義の安全衛生管理が求められる販売業という業種

販売業では業種業態による違いがあるものの、従業員やお客様に対する安全衛生管理の責務があり、細かなことまできちんと管理できる体制を整えておかないと事故のリスクを高める結果となります。

また、製造販売を行う店舗では製造物責任もついて回るもの。食品の衛生管理など、PL法の知識も備えておくことです。

店舗などの施設での安全配慮義務・賠償責任

設備や人的ミスでお客様や近隣に損害を与えるリスク

店舗には不特定多数のお客様が出入りします。そのため、何か事故を起こした時はお客様や近隣に損害を及ぼすリスクがあります。例えば、飲食店のように火や水を使う店舗の場合、設備の不具合や人的ミスによって火災や漏水が発生することもあるでしょう。火災によってお客様が火傷を負ったり近隣に延焼してしまった場合や、漏水で階を水浸しにしてしった場合、損害賠償の金額も大きくなってしまいます。

それほど大きな問題ではなくても、床掃除のふき取りが不十分だったことが原因で、お客様が転倒しまうようなトラブルも意外と起こるもの。こうした日常的なメンテナンスを怠った場合、安全配慮義務違反が問われることもあるので、たかが床掃除と軽んじることなく、日頃からスタッフに安全管理意識を徹底させておくことも重要です。

製造物責任(PL)法による安全配慮義務・賠償責任

販売業でも製造物責任のリスクを負う場合あり

販売業の中にも業態によっては製造物責任を負うケースがあることも知っておく必要があります。例えば、パン屋や魚屋、肉屋、総菜屋など店舗で加工を行って販売するようなところでは、その製品によって食中毒を起こしてしまった場合、製造者としての安全配慮義務違反や賠償責任が経営のリスクとなるわけです。

小規模な店舗のこうした事業では、小売業という認識はあっても製造業という認識は薄いこともあるので、事故を起こした時に思っていた以上の損害賠償請求をされて立ちいかなくなるようなことのないよう注意してください。

法令等に関する賠償責任

販売業では不可欠な安全衛生に関連する法律

店舗の安全衛生管理といった場合、お客様に飲食物を提供する際の衛生管理というイメージを持つでしょう。もちろんそれも含まれますが、事業者としてはより広範な安全衛生管理を行うよう労働安全衛生法を守る責務があるのです。例えば、事業者は労働者の安全や健康を守らなければなりませんし、動労者も労働災害が起きないようにする義務があります。

また、食品を扱う店舗では食品衛生法を守る必要がありますが、これも調理器具や食材の安全衛生管理だけでなく、労働環境の安全衛生も含まれますし、消防法でも事故防止などの安全対策が定められています。

従業員に対する安全衛生管理・賠償責任

労働者の健康や安全に配慮するのも会社の責任

厚生労働省の調査によると、小売業の現場では労働災害件数がやや増えているという結果もあり、経営者としても労働環境の改善には十分な配慮をする必要があります。しかも、小売業の労災でもっとも多い事故はなんと「転倒」で、30%以上を占めているのです。

また、営業時間が長い店舗では店長の長時間労働など過重労働が問題となるケースも多く、それが原因でうつ病になったり突然死してしまった場合、その企業は安全配慮義務違反や賠償責任を負うことで、多額の損害賠償金を支払うリスクにもなるわけです。

販売業で賠償責任が起きた時に備えて

販売業を営んでいる会社では、加工を行って販売した製品によって製造物の責任を負ってしまうこともあるため、全社にて安全に配慮した取り組みを行う必要があります。食品であっても部品であっても消費者に製品を届ける職種となるため、使用する機材の管理やメンテナンスを怠らないようにすることがまずは先決となるでしょう。万が一の問題が起きてしまった場合に備え、事前準備の徹底を企業側は心がけておくべきです。

そのためにも販売業を主としている企業は賠償責任保険に加入しておくことを強く推奨いたします。自社で取り扱う製品によって訴訟が起きてしまった場合、高額の損賠賠償を請求される可能性があります。また、販売した製品によるリスクだけに止まらず、責任を認められる事例は複数存在します。賠償責任保険では訴訟が起きた際の賠償金の補償を受けることができるため、損害を小さく済ませることが可能です。