役員賠償責任保険とは、会社役員の業務に起因して損害賠償請求が命じられた場合、その賠償額を補償する保険です。損害賠償のみならず、裁判で生じた各種争訟費用も補償の範囲に含まれます。
会社役員には、一般社員とは異なる大きな責任が課されています。故意や重過失によって生じた他人への損害のみならず、善管注意義務や監視・監督義務の不徹底によって生じた他人への損害についても、会社役員は大きな責任を負わなければなりません。
また、現時点では問題のない役員業務と判断されたとしても、その業務が原因となって10年後に他人へ損害を与える可能性もあります。この場合も、当該役員は責任を免れません。
多額の賠償請求が役員個人に命じられた場合、その役員が引き続き安定して経営に専念することは難しくなります。経営全体にも、大きな打撃を与えることでしょう。
役員賠償責任保険は、形式的には役員個人を守るための保険であるものの、実質的には会社全体を守る保険とも言えます。
※一般に役員賠償責任保険は「D&O保険(Directors and Officersの略)」と呼ばれています。