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【社外リスク】業種別に見る会社の賠償責任事例
建設・工事業(イメージ)
Risk 02

建設・工事業

建設・工事業の事故やトラブルと安全配慮

建設・工事業は、他業界と比べても事故・トラブルが起こりやすい傾向にあります。そのため、起こる前にどれだけ安全に配慮できるかが重要です。ここでは、よく起こる事故やトラブルの事例を紹介。あわせて安全配慮の一例を紹介しています。事故やトラブルの防止にお役立てください。

不慮の事故を想定した賠償責任保険加入は必須

ゼロにはできない工事トラブルへの万全の備えを

安全第一を心がけていたとしても、建設・工事業と事故リスクは切っても切れない関係です。業務遂行時の全工程にてトラブルが発生する可能性があり、想定をはるかに超える大事故の危険性も常にはらみます。 死亡事故をはじめ、建設・工事業では多くの訴訟事例が存在し、その請求額も高額です。

  • 孫請業者の事故に対して元請業者に4,341万円の賠償責任

    訴訟内容
    下請業者から孫請業者にほぼ丸投げされていた工事において、作業中に死亡事故が発生。その後、孫請業者の被災者遺族が元請業者に対して損害賠償請求訴訟を起こした。一審では元請業者の責任は認められなかったが、高裁では一転。元請業者の安全配慮義務違反が指摘され、4千万円以上の賠償金支払い命令が下った。
  • 土木工事作業中の死亡事故で3,500万円の請求訴訟

    訴訟内容
    孫請業者に雇用されていた日雇い労働者が、工事の作業中に発生した事故によって死亡してしまった。妻と子が雇用主の孫請業者だけでなく、元請業者にも合わせて3,500万円の損害賠償請求訴訟を起こした。判決では、過失相殺もあるとされた一方、被災者が一家の稼ぎ頭であったという点も考慮され、請求額の7割(2,800万円)の支払い命令が下された。

非常に痛ましく取り返しのつかない事故が生じる建設・工事業。賠償責任保険への積極的な加入は不可欠であり、未加入の状態そのものが道義的な責任を問われかねません。 各社の賠償責任保険の特徴は以下のページにまとめていますのでご参照ください。

建設・工事業で起こる事故やトラブル

建設・工事業で注意すべき事故や労働災害、トラブルとは

施設管理不備による事故

火災や漏水、資材等の落下などの事故

施設の目が行き届かないところで事故が起こることがあります。建設・工事業で起こりうる主な施設リスクは、火災・漏水・落下物など。事務所で火災が発生し、非常口や非常階段の管理不備でお客様に想定外の損害を与えてしまうことがあります。また、事務所ビルの給排水管からの漏水で階下の店舗内装を汚してしまうことや建設・工事現場の資材や施設の一部が落下し、通行人に被害が及んでしまうこともあるでしょう。想定外の事故が起こりやすいため、突然の賠償責任を問われることが懸念されます。

施設による事故対策の一例

安全配慮義務を果たすためにも、事務所での火災であれば、非常口や非常階段の管理を徹底。また、資材の一部が落下しないように、資材の積み方や積む場所を検討する必要があるでしょう。施設の一部落下を防止するために、定期点検を十分に行う必要があります。

業務の遂行により生じる事故

施設の損壊や相手のケガ、落下物などの事故

業務中に事故が起こりやすい建設・工事業。起こりうる主な業務リスクは、施設の破損・相手のケガ・落下物などです。建設工事で足場が外れ落下し、隣接する建物を損壊することや機材が倒れて民家を破損してしまうこと、エアコンの取り付け工事中にお客様の家の壁に傷をつけてしまうことがあります。また、高層階の作業現場から工具が落ち、通行人が怪我を負うこともあるでしょう。死傷者の出る大きな事故につながり、賠償責任が重くなることが懸念されます。

業務上の事故対策の一例

安全配慮義務を果たすためにも、足場が外れないように足場の耐久性や接続部をチェック。また、機材が倒れないように重心を安定させる工夫が必要です。エアコンの取り付け工事で周囲に傷をつけないように周りを保護したり、作業現場から工具が落ちないように工具を伸縮性の高い紐などで結ぶと良いでしょう。

生産物・仕事の結果による事故

購入者のケガや火災、漏水などの事故

工事の最中は何もなくても、引渡後にトラブルが起きることがあります。建設・工事業で起こる主な生産物・仕事の結果リスクは、購入者のケガ・火災・漏水など。引き渡した家の建築資材の欠陥で購入者が怪我を負ってしまったり、電気工事の配線ミスが原因の漏電で火災が発生し、隣家の壁まで燃えてしまったりするケースがあります。また、エアコン設置の欠陥で漏水が起き、お客様の家の絨毯を汚してしまうこともあるでしょう。請け負った工事箇所だけでなく、建物全体や周辺にも損害を及ぼしてしまい、賠償責任の範囲が広くなることが懸念されます。

生産物・仕事の成果による事故対策の一例

安全配慮義務を果たすためにも、家の引渡し前のチェックを徹底したり、電気の配線工事後に複数人でチェックしたりすることでミスを減らすことができます。また、エアコン設置時には水漏れ確認のチェックフローを設け、従業員にチェックを徹底させましょう。

特殊車両による事故

周囲にいる人のケガや建物破損などの事故

建設・工事現場では、フォークリフトやクレーン車、パワーショベルなど、様々な特殊車両が活躍。これらの特殊車両を扱うためには、資格が必要なほど難しい操作が要求されるということもあり、思わぬ事故につながることもあります。建設・工事業で起こりうる特殊車両による主なリスクは、ケガや建物の破損など。フォークリフトでの荷物の積み下ろしでお客様にぶつかって怪我をさせてしまったり、パワーショベルのアームを回す際に周りにいた人にケガを負わせてしまったりします。また、クレーン車が倒れて近くの建物を破損してしまうこともあるでしょう。特殊車両の性質上、車両ごとに起こりうる問題が異なるため、予想できない賠償責任が発生することが懸念されます。

特殊車両を使用する際の事故対策の一例

安全配慮義務を果たすためにも、フォークリフトの運転で速度制限を設けたり、荷物が滑らないようにフォークに滑り止めをつけると良いでしょう。また、パワーショベルのある現場では、パワーショベルのアーム稼働範囲に入るとアラートを出すヘルメット着用を義務化。クレーン車を使用する際は、重心を徹底管理し、倒れないようにすることが大切です。

そのほかのトラブル

契約・工事場所によるトラブル

ほかにも建設・工事業で起こるトラブルがあります。工事が遅延してしまった場合は、契約によっては損害賠償を請求されます。また、他社のサーバが置かれている箇所を工事した場合、ミスによってサーバの電源を落としてしまうと責任を問われかねません。このように、契約や工事場所によって起こるトラブルが懸念されます。

そのほかの事故対策の一例

工事の遅延を見越した日程で契約することで、損害賠償発生を起こりにくくすることができます。工程管理システムを導入し、工程を徹底管理するのも良いでしょう。また、サーバが設置されているような箇所を工事する際は、いつもより入念な事前確認や気をつけるべきポイントの周知徹底が大切です。

賠償責任を認められた時に備えて

建設・工事業では、業務を行っている最中に作業ミスで従業員が怪我を負ってしまうことや、仕事を完了した後にもチェック不足で取引先のクライアントに迷惑をかけてしまいトラブルが生じることが多々あります。懸念される事故の事例はさまざまありますが、会社としては徹底した管理体制の下、起きるリスクを想定して未然に防ぐことを心がけておかなければなりません。

そのためにも、請負業者賠償責任保険への加入は欠かせません。トラブルが起き企業側の責任が認められ、高額な賠償金を請求された場合であっても、賠償責任補償から補填がされるため、万が一の事態への着実な備えとなるからです。大きな損害が起きても対処できるように、賠償責任保険への加入は至急検討すべきでしょう。