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【社外リスク】業種別に見る会社の賠償責任事例
飲食・食品業(イメージ)
Risk 05

飲食・食品業

衛生管理から労働問題まで飲食業・食品業のリスク要因

食品衛生に関するトラブルから従業員の不健全な労働環境まで、事故を起こさないために飲食業や食品業が組織全体として遂行すべき安全配慮義務や賠償責任について解説します。

賠償責任保険でリスクを回避し衛生管理を万全に

風評被害対策としても機能

飲食・食品業の最大のリスクのひとつに衛生管理があります。「食の安全性」は非常に高いレベルで求められるため妥協は許されません。しかし細心の注意を払っていたとしても、想定外の事故が生じてしまうのが食品業の宿命です。 また、集団食中毒などは大きなニュースとして報道される傾向となっています。

  • 食中毒で集団訴訟、その請求額は1810万円

    訴訟内容
    飲食店が提供した生食用カキを食べた客に集団食中毒が発生。飲食店経営者がカキの加工販売会社と仕入販売会社に対して、損害賠償請求訴訟を起こした。裁判の結果、約476万円の支払い命令が下された。
  • 輸入生ウニによる食中毒で6,690万円の損害賠償請求

    訴訟内容
    飲食店で外国産の生ウニを食べた客に食中毒が発生し、食品輸入会社と水産物卸会社に6,690万円超の賠償請求がなされた。徹底調査の結果、裁判で請求は棄却されたものの、もしも調査が不十分であれば本来は支払い責任のない賠償金を支払っていた可能性もある。
  • 賠償金の支払いに終わらず風評被害が経営を圧迫

    訴訟内容
    料亭で生魚の刺身を提供したところ、その身に含まれていた毒素が原因で食中毒が発生し料亭が訴えられた。直接的な原因は魚にあったが、それを刺身にした料亭に製造物責任があったとして、300万円超の支払い命令が下った。

これら事例は決して他人ごとではなく、すべての食品事業者にとって現実的なリスクです。風評被害対策も含めた賠償責任保険への加入を積極的に検討すべきでしょう。 各社の賠償責任保険の特徴は以下のページにまとめていますのでご参照ください。

飲食業・食品業における安全配慮義務・賠償責任

経営者もバイトも法令遵守を徹底すべき飲食業・食品業

飲食業や食品業は、日本人がもっとも重視する“食の安全安心”に関わる事業であり、不特定多数のお客様にサービスや製品を提供する立場。その点で、他業種よりも安全衛生管理や企業倫理で高いレベルを求められる側面があります。一方、現場ではアルバイトやパートが多数を占め、法令遵守を全従業員に徹底するのは簡単ではなく、ちょっとしたことが事故の原因にもなるわけです。

店舗などの施設での安全配慮義務・賠償責任

調理設備をはじめ設備管理の不備が事故原因となる

飲食業や食品業の施設管理に起因する事故としてもっとも注意したいのは、やはり火事。調理設備の欠陥であったり取り扱いのミスであったり、原因はいろいろあったとしても、お客様や近隣に被害を与えてしまうというケースはそう珍しくありません。

店舗の看板が落下して、たまたま下を歩いていた通行人にケガをさせてしまうといったこともあるでしょうし、自動ドアに挟まれてケガをさせてしまうこともあるでしょう。

こうした店舗などの設備によって事故が起きた場合、安全管理義務違反や賠償責任を問われて損害賠償金を請求されるリスクとなります。

提供する食事・サービスに関する安全配慮義務・賠償責任

異物混入や食中毒から出前時の事故まで責任範囲は広い

異物混入や食中毒など、飲食業・食品業では大手であっても完全に事故を防げるわけではありません。特に日本では食の安全安心に対して、消費者の意識が厳しいので、ちょっとしたことでも大きな問題となるリスクがあります。

他にも、店内サービスではお客様にコーヒーをかけてしまって火傷を負わせたとか、お客様のパソコンにお茶をこぼしてしまったなど、アルバイトならわりとありがちなミス。宅配サービスなら、出前中にバイクで対人事故を起こす危険性もあるでしょう。こうした事故では店舗の安全配慮義務や賠償責任を追求されます。

そのほかの賠償責任

全従業員に法令遵守を徹底するのは容易でない

近年、一定の頻度でネット炎上してしまうのが、店舗に訪れた有名人のプライバシーをSNSで店舗スタッフが公開してしまうといった事象。アルバイトでも正社員でもなかなかコンプライアンスの徹底が行き届かず、こうした不法行為はイメージダウンになりますし、営業停止や閉店に追い込まれることもあるでしょう。

店内で預かった荷物の盗難や、お客様同士が駐車場でトラブルを起こした場合なども、場合によっては店舗側での責任が発生するので注意してください。

飲食業や食品業では安全衛生法、食品衛生法、消防法とった法令を遵守する必要がありますが、従業員がこれらを守らず事故が起きれば、当然店舗の賠償責任を問われます。

従業員に対する安全衛生管理・賠償責任

ワンオペや名ばかり管理職など不健全な労働環境に注意

24時間営業の店舗における深夜のワンオペや、名ばかり管理職の店長など、飲食業・食品業では過重労働などの労働問題がよく指摘されます。こうした不健全な労働環境を事業者が放置してしまうと、従業員がうつ病や突然死に至った時、企業及び経営者が安全配慮義務違反や賠償責任を追及され、多額の賠償金を支払う結果となることもあるのです。

競合店舗との兼ね合いで、どこでも同じようなことをしているといった意識でいると、トラブルが起きた時に多大なダメージを受けるリスクがあると知っておきましょう。

飲食業で賠償責任が起きた際に備えて

飲食・食品業を営んでいる会社はアルバイトとして学生やパートを従業員として雇っている店舗が多く、管理体制に不備があると事故やトラブルが生じやすい環境にあります。また、飲食業界は慢性的な人員不足に陥っているため、無理な労働を従業員に強いてしまうことも多々あります。杜撰な商品提供により消費者に被害を与えてしまうことも考えられるでしょう。

安心安全なサービスを徹底することでこういったリスクを未然に防ぐこともできますが、入念な管理をしている状態でも少しのミスでトラブルは起きてしまいます。万が一の問題が発生した場合に備え、賠償責任保険への加入は欠かすことができません。訴訟により多額の賠償金を請求されてしまうと企業が倒産してしまう可能性もあるのです。損害賠償を補填できる賠償責任保険を選んでおくと、そのような最悪の場合にも対応することができるようになります。