業務災害補償保険とは、業務中に生じた役職員等のケガ・死亡等について、その治療費や損害賠償を補償する保険。役職員等の、いわゆる不慮の事故に起因する様々な会社の負担を補償するのが、業務災害補償保険です。
また業務災害補償保険は、労災認定されている疾患や自殺についても補償の対象としています。業務中のケガのみならず、幅広く会社の負担を補償する保険として、建設業や製造業を始め多くの業種で加入が進んでいる保険です。
業務中に負った役職員等のケガ・死亡等を補償
役職員などが業務に関連してケガを負ったり死亡したりした場合、会社が負うべき治療費や損害賠償を補償するのが業務災害保険。従業員等のケガの程度が軽微であれば良いのですが、高度障害を負ったり死亡したりした場合、会社ば莫大な損害賠償を求められる可能性があります。いつ起こるか知れない業務中の事故に備え、一刻も早く経営者は加入を検討すべき保険と言えます。
業務災害補償保険とは、業務中に生じた役職員等のケガ・死亡等について、その治療費や損害賠償を補償する保険。役職員等の、いわゆる不慮の事故に起因する様々な会社の負担を補償するのが、業務災害補償保険です。
また業務災害補償保険は、労災認定されている疾患や自殺についても補償の対象としています。業務中のケガのみならず、幅広く会社の負担を補償する保険として、建設業や製造業を始め多くの業種で加入が進んでいる保険です。
業務災害補償保険の補償内容について、あいおいニッセイ同和損保の「タフビズ 業務災害補償保険」の例を見てみましょう。
あいおいニッセイ同和損保のプランには、「エコノミープラン」「ベーシックプラン」「ワイドプラン」の3つがあります。
エコノミープランの補償内容は、以下の6つになります。
事故発生日から180日以内に死亡した場合、保険金を支払い。
事故発生日から180日以内に後遺障害が発生した場合、保険金を支払い。
事故が原因で入院した場合、入院日数に応じて保険金を支払い。
事故発生日から180日以内に手術を受けた場合、保険金を支払い。
事故が原因で通院した場合、通院日数に応じて保険金を支払い。
政府労災で認定されている疾病や自殺に対して保険金を支払い。
ベーシックプランの補償内容は、エコノミープランの6つの補償に、次の2つの補償が加わります。
補償対象者の身体障害に対する損害賠償を会社が負う場合、その賠償額を補償。
補償対象者の身体障害によって、会社が葬儀費用や再発防止費用を負った場合、その費用を補償。
ワイドプランの補償内容は、ベーシックプランの8つの補償に、次の2つの補償が加わります。
政府労災で認定されている精神障害で補償対象者が休職した際、補償対象者の職場復帰に向けて会社が負担した各種費用を補償。
補償対象者が受けたハラスメントや差別行為、不当解雇などに起因して会社が損害賠償を支払う場合、その賠償額を補償。
以上のプランごとの基本補償とは別に、特約を申し込むことによって様々なオプション補償を付帯させることができます。
入院が長期となった場合、家族の見舞いにかかった交通費などの様々な出費を補償。
業務外で発生した事故に対する身体障害について、その治療費等を補償。
長期入院によって有給を消化後、減少した一家の収入を補償。
保険料や補償の対象者の範囲について、あいおいニッセイ同和損保の「タフビズ 業務災害補償保険」を例に見てみましょう。
保険料や補償の範囲は、契約方式によって異なります。契約方式には、大きく分けて「売上高方式」と「人数方式」の2つがあります。
会社の売上高に応じ、保険料や補償の範囲が決まります。基本的には「役員」「従業員」「下請人」「派遣・委託作業者」が補償の範囲です。
「役員」「従業員」「下請人」「派遣・委託作業者」のうち、補償の範囲を会社が任意に決める契約方式です。
以下のような例については、補償の対象に含めることができません。
業務災害補償保険を契約した場合、会社が支払った保険料を全額損金に参入することができます。保険料の1/2のみ損金に算入できる商品が多い生命保険に比べ、全額損金に算入できる業務災害補償保険は、その分、節税効率の良い保険商品と言うことができます。
なお、業務災害補償保険の保険期間は1年が原則。保険期間が満期となり更新する場合には、改めて従業員等の数の変動や売上高の変化を勘案し、保険料が改訂されます。
業務災害補償保険に似た機能を持つ制度として、政府が管轄している労働者災害補償保険(労災)があります。
労災と業務災害補償保険については、保険金の金額や補償範囲などいくつかの違いがありますが、特に大きな違いは損害賠償の補償の有無でしょう。
業務災害補償保険は、従業員や遺族等からの損害賠償に対する補償機能もありますが、政府労災にはこの機能がありません。
業務中の事故で従業員等がケガをしたり死亡したりし、会社が多額の賠償金を求められたケースは枚挙にいとまがありません。業務に起因する理由で、従業員等が精神疾患に陥ったり自殺したりした例においても同様です。
規模の小さい事業者の場合、損害賠償の支払いだけで経営が圧迫されることもあるでしょう。万が一のことを考えた場合、政府労災だけで賄うことは非常に難しいのが実情です。
会社を経営する上で従業員が業務中にケガをすることは決して珍しいことではありません。
経営者には事故を防ぐだけでなく、ケガをした従業員本人や家族、会社を守る責務があります。もしも、会社が行なっている事業によりケガ・死亡に到った場合、遺族から莫大な損害賠償金を請求され、会社経営が成り立たなくなる可能性も。
そのため、万が一に備えて業務災害補償保険に加入しておくことがおすすめです。
飲食店に勤務していた従業員が低酸素脳症となり、脳性まひを負った事故では、裁判所は会社の指示による過重労働が原因であるとして、会社側に1億9,500万円の支払いを命じました。
他にも、解体業者のアルバイトだった男性が窓から転落してしまい、脊髄損傷の高度障害が残った事故も。裁判所は会社側が転落防止のための対策を怠ったとして8,300万円の支払いを命じました。
厚生労働省の「平成27年における労働災害発生状況について」では、労働中の死傷者数は約11万人となっています。件数は年々に減少しているそうですが、ゼロにはなりません。従業員の身に対して重大な事故が起こった場合、会社側の過失が原因と判断されると多額な賠償金を支払わなければいけないことに変わりはないのです。
会社を経営していくということは、リスクがつきもの。しかし、事故が発生した時の対処が遅れると、経営を圧迫することになり会社自体が存続の危機に陥ることがあります。そのため、従業員を守る法人向けの保険に加入すべきだと言えるでしょう。
労災の加入は義務となっていますが、業務災害補償保険は任意の保険のため、加入の判断は経営者の方が判断する必要があります。労災ではカバーできない賠償責任に関するリスクに備えて、業務災害補償保険の加入は有効的です。また、どんな事故に対しても包括的に対応できる保険に加入すると、万が一のことが発生した時のセーフティネットになるでしょう。
業務災害補償保険の補償内容は豊富にあり、たくさんあるオプションから本当に必要な内容を選ばないといけません。すべての内容を確認・理解するのは難しいので、取り扱っている保険会社と相談し、適切なアドバイスをもらいましょう。
[1]あいおいニッセイ同和損保「タフビズ 業務災害補償保険」
URL:https://www.aioinissaydowa.co.jp/business/product/toughbiz/gyomu/