【社外リスク】業種別に見る会社の賠償責任事例

飲食・食品業実際にあった訴訟・判例

原因が誰にあるかで結果が異なる、飲食業の食中毒事故

飲食業ではたまに食中毒事故が起きることがありますが、損害賠償を請求された場合、飲食店側に原因がある場合と食材の仕入ルートに問題がある場合があり、訴訟とその判決の事例を紹介します。

  • 飲食業における訴訟・判例1「生食用カキ食中毒事件」

    生カキの食中毒で飲食店が加工業者と仕入業者を提訴

    • 事件名:生食用カキ食中毒事件
    • 提訴年月日:-
    • 裁判所:横浜地裁
    • 原告:飲食店経営者
    • 被告:水産品加工販売会社及び水産加工品仕入販売会社
    訴訟内容
    生食用カキをお客様に提供した飲食店で、小型球形ウイルスに汚染されていたことから集団食中毒事件を起こした。飲食店経営者は原告として、生食用カキの加工販売会社と仕入販売会社とを相手取って、損害賠償請求を求めた。
    請求額
    1810.2914万円
    争点
    裁判で争われたのは、食中毒の原因が生食用カキかどうか、原告が損害として主張するもののうち食中毒と因果関係があると認められるものは何かといった点。合わせて、加工販売会社の製造物責任や不法行為、仕入販売会社の債務不履行責任や瑕疵担保責任などが争点となった。
    判決内容
    裁判では生食用カキが食中毒の原因であると認定。原告の訴えのうち、水産品加工販売会社に対しては不法行為責任を負うものとして損害賠償請求の一部が認められた。一方、水産加工品仕入販売会社に対しての債務不履行責任は認められず、瑕疵担保責任による損害賠償責任はあるとした。
    認容額(賠償額)
    475.5448万円
  • 飲食業における訴訟・判例2「イシガキダイ食中毒事件」

    料亭の刺身で食中毒!製造物責任による損害賠償請求

    • 事件名:イシガキダイ食中毒事件
    • 提訴年月日:-
    • 裁判所:-
    • 原告:消費者
    • 被告:料亭経営者ら
    訴訟内容
    料亭でお客様に提供したイシガキダイの刺身に、シガテラ毒素が含まれていたために複数のお客様が食中毒を起こした事件。原告の中には25日間にわたって休業した人もいたため、休業補償など多額の損害賠償を請求された。
    請求額
    742万円
    争点
    主な争点は、料亭の刺身料理は加工品であり、それを加工した料亭には製造物責任法が適用されるのではないかといった点。債務不履行や不法行為と違い、製造物責任は被告側に過失があったかどうかは問われないのもポイント。
    判決内容
    裁判では料亭の製造物責任があるとして総額300万円を超える認容額となった。内訳は慰謝料が150万円で、他は休業損害など。飲食店で食中毒を出すと評判が大きく落ちるとともに、損害賠償でも経営を圧迫されるリスクとなった。
    認容額(賠償額)
    308万円
  • 飲食業における訴訟・判例3「生ウニ食中毒事件」

    飲食店が出した輸入生ウニの食中毒、その原因が争点

    • 事件名:生ウニ食中毒事件
    • 提訴年月日:平成9年1月22日、平成9年4月10日
    • 裁判所:仙台地裁
    • 原告:飲食店経営会社、食材納入同族会社
    • 被告:水産物卸会社、食品輸入会社
    訴訟内容
    飲食店経営会社が輸入生ウニを仕入れてお客様に提供した結果、複数のお客様が腸炎ビブリオ菌によって食中毒を発症。飲食店経営会社と納入同族会社とがそれぞれ水産物卸会社と食品輸入会社とを訴えて、損害賠償請求を求めた。
    請求額
    合計6690.6046万円
    争点
    今回、原告が経営する飲食店で発生した食中毒の原因が、被告側の輸入生ウニと因果関係があったのかどうかがもっとも重要なポイント。それに基づいて、被告側に不法行為や製造物責任などがあるのかが争点として争われた。
    判決内容
    今回問題となった輸入生ウニと同時に輸入された別の生ウニからは腸炎ビブリオ菌は検出されなかったことから、裁判では食材納入同族会社に納品されて以降に食中毒となるような状態になったという判断を下した。結果、原告側の請求は棄却された。
    認容額(賠償額)
    請求棄却
  • 飲食業における訴訟・判例4「ロースカツ食中毒事件」

    総菜店で購入したロースカツと急性大腸炎の因果関係

    • 事件名:ロースカツ食中毒事件
    • 提訴年月日:平成17年6月29日
    • 裁判所:名古屋高裁
    • 原告:消費者
    • 被告:総菜製造販売店
    訴訟内容
    原告は総菜製造販売店で購入したロースカツを食べた後に腹痛など体調不良となり、ロースカツに原因があるのではないかとして総菜製造販売店を訴えた。実際に店舗で購入したのは原告の父親で、製造物責任による損害賠償を請求した。
    請求額
    30万円
    争点
    争点となったのは、このロースカツの十分に加熱処理して調理されたのかどうかという点と、それが腹痛などを起こした急性大腸炎の原因として因果関係があるのかどうかという点。総菜製造販売点は食品加工を行う製造者である。
    判決内容
    被告である総菜製造販売店が同日同時間帯にロースカツを販売した他のお客様の検体を確認しても菌は発見できなかったことなどから、原告男性の自宅で保管中に菌が付着したと考えられるとして、判決では製造物責任は認められなかった。
    認容額(賠償額)
    0円

万が一訴訟になっても困らないために

食中毒など飲食業の経営リスクに備える賠償責任保険

厚生労働省の平成24年の調査データによると、国内での食中毒発生件数は年間1万件以上となり、2.6万人以上の食中毒被害者が出ています。その中でも飲食店で起きたケースは55.8%と半数以上を占める、ずば抜けて多い結果となっています。被害の度合いは個別でそれぞれ異なりますが、最悪死亡事故に至ることもあり、飲食店経営者にとっては特に安心安全のサービスを心がけておかなければなりません。

仕入れた食材自体が原因となることもあり、仕入れ先に損害賠償請求をできることも可能です。しかし、結果的に自社のイメージダウンは避けられず、万が一の場合倒産するほどの経済的損失をこうむることもあるでしょう。その備えとして賠償責任保険に加入しておくことは企業責任だと言えます。 企業の損害の補償を受けることができるため、多額の賠償金額を請求されてしまうような万が一の場合の保険として対応することができます。

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