【社内リスク】訴訟が急増中!使用者責任の事例とは

マタニティハラスメント実際にあった訴訟・判例

マタハラの企業に問われる法的責任と判例

マタハラの発生件数は増加の一途をたどり、3年前に比べると相談件数は1.2倍。それにともない、訴訟や裁判に発展するケースも急増しています。

ここでは実際にあった裁判や判例について紹介しています。

マタハラに関する法的責任とは

法律で明確化になったマタハラ防止義務

マタハラに関する法律は、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法の二つがあり、差別の禁止や制度の義務付けなどが明確にうたわれています。

妊娠・出産・育児を理由に企業が従業員を解雇したり、退職の強要をしたりする行為は違法となります。主に下記のケースがあります。

  • 解雇
  • 退職を促す
  • 契約内容の変更
  • 不当な査定(降格)
  • 不利益な配置変
  • 男女雇用機会均等法

    妊娠・出産を理由にした不当扱いの禁止

    男女雇用機会均等法では、妊娠・出産・育児を理由にした、従業員への不当な扱いを禁止しています。

    例えば育児休業を取得する時に退職を促したり不当に解雇したりする行為があります。また正当な理由もなく降格させたり、給与や賞与を不当に査定するなども違法です。

  • 育児・介護休業法

    産休明けの職場復帰を補償して妊産婦の立場を保護

    育児・介護休業法では、妊娠・出産・育児・介護休業を理由として、従業員に対する不当な扱いを禁止しています。

    男女雇用機会均等法で禁じている、不当や解雇・降格や昇給・賞与の制限などのほかに、現職相当職への復帰、転勤等の配慮が義務づけられています。

実際にあった訴訟・判例

マタハラ被害で会社に賠償責任を請求した裁判例

マタハラ被害に遭い、不当な扱いを受けて立場や名誉を著しく侵害されると、被害者は名誉を回復するために、会社に賠償責任を請求することがあります。

ここでは実際にあったマタハラ裁判の判例を紹介しています。

  • マタハラと認められたケース

    降格処分を無効とした判例

    被告:会社  原告:副主任の女性  賠償額:175万円

    副主任の地位にある女性が妊娠を理由に降格させられたとして、無効とする訴訟を起こした。これに対して最高裁では、男女雇用機会均等法第9条第3に違反するとして無効とし、企業に175万円の支払いを命じた。

    育休拒否を無効とする判例

    被告:会社  原告:女性  賠償額:-円

    第三子出産を機に、育児休暇を申請。育児休業を拒否され解雇を促され、それを無効とする訴訟を起こす。育児休業の拒否とそれを理由とした解雇は違法でありるとして、無効の判決を下した。

    上司の冒涜発言に減俸処分

    被告:男性上司  原告:女性  賠償額:-円

    妊娠中に男性上司から「腹ぼて」等の性的嫌がらせを受けたとして、上司に対してけん責処分を求めて訴訟を起こした。これに福岡地裁では上司の発言はマタハラに相当するとして減俸対象となるけん責処分を求めた。

    不当昇給額に賠償額24万円

    被告:会社  原告:女性  賠償額:24万円

    8時間労働から、育児短時間制度を利用して6時間労働に変更した従業員が、昇給額の3/4の不当昇給に対して無効を訴える。東京地裁はマタハラに該当するとし、約24万円の賠償を命じる判決を下した。

    配慮の欠けた異動に無効の判決

    被告:会社  原告:従業員  賠償額:-円

    重度のアトピー性皮膚炎の子供を抱える従業員に対して、東京から大阪勤務の辞令が下り、これを無効とする訴訟を起こす。東京地裁では育児中の社員に対する配慮が欠けたマタハラ行為相当するとして「転勤」を違法と判断した。

  • 産休・育休に関して企業責任が認められたケース

    業務の軽減で会社の賠償額35万円

    被告:会社と上司  原告:女性  賠償額:35万円

    妊娠を機に、今までの業務から業務が軽減。マタハラに相当するとして会社に賠償責任を求める訴えを起こす。福岡地裁は妊婦の人格権を侵害するとし、会社と上司に対して35万円の支払いを命じた。

    不当解雇の未払金250万円を支払う

    被告:会社  原告:女性  賠償額:250万円

    従業員の同意がないまま、妊娠中に不当に退職されたとして、会社を相手に賠償責任請求をした。東京地裁は退職を無効とし、未払い賃金を含めた250万円の支払いを命じる判決を下した。

    復職後職務を外され賠償額60万円

    被告:会社  原告:女性  賠償額:60万円

    育児休業後の復職した際、担当職務を外されて、不当に減給されたとして、企業を相手に訴えた。東京地裁はマタハラに相当するとして、企業に対して60万円の賠償責任金の支払いを命じた。

    産休従業員に対して減額賞与

    被告:会社  原告:女性  賠償額:-円

    会社の規定で産休期間を欠勤日数に含んで出勤率を算出し、90%未満の従業員に賞与を支払わなかったとして提訴。最高裁ではこれを違法として、未払い従業員への賠償責任金の支払いを命じた。

    妊娠を告げて退職に慰謝料280万円

    被告:幼稚園  原告:幼稚園教諭  賠償額:280万円

    幼稚園教諭が妊娠を園長に伝えたところ「代替教諭を探すのは困難」として、退職させられ、賠償責任請求をする。大阪地裁はマタハラに相当するとして、教諭の復職と280万円の慰謝料の支払いを命じた。

賠償責任補償の保険適用事例

企業のマタハラに備えて賠償責任保険に加入

妊産婦に対して減給や昇格、退職、など不当な扱いをして訴訟や裁判になり、マタハラと見做されると、賠償責任金や慰謝料の支払い対象になります。事例によって金額は様々ですが、違法性が強ければ強いほど、賠償金の支払い額も大きくなり、企業に与えるダメージも大きくなるのです。

こうした賠償請求に備える保険が賠償責任保険です。色々な種類がありますが、総合事業者保険(AIU)保険では、マタハラやパタハラなどのハラスメントに対応し、従業員からの賠償責任請求に対して、賠償金を補償します。

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