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【社内リスク】訴訟が急増中!使用者責任の事例とは

過重労働・過労死実際にあった訴訟・判例

過重労働・過労死の法的責任と裁判例

過重労働・過労死になり、労災に認定されると、企業に使用者責任が問われて賠償責任の支払い義務が生じます。

ここでは実際に起きた過重労働・過労死の裁判や判例について詳しく紹介しています。

過重労働・過労死に関する法的責任とは

労働基準法に違反すると刑事責任・民亊責任が問われる

過重労働や過労死に関する法的責任には、刑事責任と民事責任があります。

  • 労働基準法違反:労働時間規制を大幅に超えた場合、罰金もしくは禁固刑に処せられます。
  • 刑事責任:労働基準監督署から指導を受けても改善しない場合は掲示責任が問われて書類送検されます。
  • 民亊責任:従業員の労務管理を怠ったとして賠償責任を負うことになります。
  • 過労死等防止対策推進法

    民間一体となった過労死の防止への取り組み

    過労死等防止対策推進法は、過労死防止に向けて、『国・地方公共団体・事業主・国民』が一丸となって取り組むべき責務を規定したものです。それぞれが連携することで、過労死防止に努めることがうたわれています。国・地方公共団体が取り組むべきこととして、過労死の実態調査および報告、過労死等防止対策推進協議会の設置、民間活動の支援等を掲げています。

  • 改正労働安全衛生法

    受動喫煙など間接的なストレスリスクから従業員を守る

    平成26年に労働安全衛生法が改正されました。これは従業員の安全と健康を守り、職場環境を働きやすくするための規制や措置を定めた法令です。

    今回の改正では、化学物質による健康被害やストレスリスク、受動喫煙など、近年増加傾向にある労働災害を未然に防止する対策を充実させています。

    具体的には医師の面接指導の実施、診断結果の通知、安全管理体制の強化などがあります。

実際にあった訴訟・判例

実際にあった過重労働・過労死で会社を訴えた裁判例

過重労働・過労死が労災に該当するかどうかは、労働条件や雇用形態などにより判断が変わります。ここでは実際に過重労働・過労死として認められた裁判や判例を紹介しています。

  • 過重労働に関するケース

    時間外勤務100時間超で交通事故死

    被告:会社  原告:運送会社社員の遺族  賠償額:5000万円

    運送会社勤務Aは、臨時便を担当するようになり、時間外労働が月100時間を超え、業務中に事故を起こして即死。会社は適切な対応をしたが、遺族が賠償責任を請求。過重労働として5000万円の賠償責任金の支払いを命じた。

    深夜帰宅が続く過重労働で自殺

    被告:会社  原告:広告代理店社員の遺族  賠償額:1億6,800万円

    広告代理店に入社した新人Aは、入社以来、長時間労働で深夜帰宅が続いてうつ病を発症し、入社1年4か月後に自殺。遺族が賠償責任金の請求に対して、最高裁は過重労働による自殺とし、企業に約1億6,800万円の支払いを命じた。

    過重労働により脳出血で死亡

    被告:病院  原告:看護師の遺族  賠償額:不明

    病棟に勤務する看護師Aは、6か月間の時間外労働が平均52時間22分だった。健康状態は良好だったがくも膜下出血で死亡。遺族が賠償責任を請求し、高等裁判所で業務内容を加味した上で過重労働とし、遺族補償一時金の支払いを認めた。

    過重労働で後遺症を残す心臓発作

    被告:会社  原告:ファミレス店長  賠償額:不明(労災認定)

    ファミリーレストランの店長Aは時間外労働が月平均200時間を超え、自宅で倒れて心肺停止状態に陥った。一命を取り止めたが全身麻痺の後遺症が残る。労働基準監督署はAの障害を、過重労働による労災と認定した。

    過重労働のストレスで自殺

    被告:会社  原告:自動車製造会社社員の遺族  賠償額:7,400万円

    自動車製造工場に勤務するAはリーダーに昇格後、月平均100時間を超える時間外・休日労働が続き、心理的負担から自殺に至る。遺族が賠償責任請求を起こし、過重労働に相当すると認めて企業に対して7,400万円の賠償金の支払いを命じた。

  • 過労死に関するケース

    過重労働による脳出血で過労死

    被告:ソフトウエア会社  原告:ソフトウエア会社社員の遺族  賠償額:不明(過労死認定)

    ソフトウエア会社でシステム開発担当のAは、脳幹部出血を起こして死亡。時間外労働は直前1週間が73時間超、前月前々月と100時間を超えていた。遺族が訴訟を起こし、過労死と認められた。

    過重労働のストレスから自殺

    被告:都  原告:小学校教員の遺族  賠償額:不明(過労死認定)

    小学校教員Aは、担当クラスの対処に追われ、自宅に仕事を持ち帰る日々が続いてうつ病を発症。病気休暇中に自殺する。遺族は公務災害申請を請求。東京地裁は過労死による自殺と判定した。

    過重労働からうつ病になり過労死

    被告:派遣会社  原告:派遣社員遺族  賠償額:1億円

    派遣社員Aは深夜交代制勤務がある過酷な労働環境で過重労働が続き、うつ病を発症して自殺に至った。遺族が賠償責任の請求を起こす。東京高等裁では過労死と認め、企業に対して約1億円の賠償金支払いを命じた。

    海外赴任中にうつ病になり自殺

    被告:会社  原告:土木技師の遺族  賠償額:不明(過労死認定)

    土木技師Aは海外赴任先で過重労働がかさんでうつ病を発症して自殺した。遺族は遺族補償給付を請求するも認められず訴訟を起こす。東京地裁は赴任中の心労もあったとして過労死として認め、遺族補償給付請求を認めた。

    過重労働による脳出血で過労死

    被告:会社  原告:観光バス運転手の遺族  賠償額:不明(過労死認定)

    大型観光バス運転手Aは1か月間に3回、スキー場への運航に就く。リーダーとして2つのバスの運転の担当などもあり、その2日後、自宅で脳出血を起こして死亡する。大阪高等裁判所ではこれを過労死として療養補償給付請求を認めた。

賠償責任補償の保険適用事例

賠償責任保険の加入で過労死の賠償責任を補償

従業員が過重労働を強いられて心身に不調をきたしたり、それが原因で過労死した場合、労災として認定されると賠償責任請求の対象になります。勤務状況や勤務内容、本人の健康状態により賠償額は異なりますが、数千万円から億単位になる場合も少なくありません。

使用者賠償責任保険は、従業員の業務中に負った怪我や病気、労災認定された脳・心臓疾患、うつ病、精神疾患、過労死に対して慰謝料や賠償金や、裁判にかかる費用などを支払う保険です。          

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過重労働や過労死のリスクに備え賠償責任保険加入を

過重労働や過労死の判例は多くあり、今回挙げたケース以外にも実際におきた裁判もたくさん存在します。企業に理不尽な労働を強いられ命を断つ従業員は日本中だけでも決して少なくありません。全国にある企業の中には従業員が働きやすい環境を作れるような独自の取り組みをしている企業もありますが、過重労働のストレスで後遺症が残り人生に大きな影響を与えられてしまう人がいることは見逃せない事実なのです。

企業にとって、働く人たちにもしもの場合が生じたときに備えて対応・準備しておくことは不可欠です。過労死による病気や自殺を労災認定された際、企業側に多大な賠償金を請求され、倒産の危機となってしまうこともあるからです。

そのためにも賠償責任保険の加入をおすすめします。訴訟を起こすための費用等を支払う保険となるため、万が一の場合に対応することができます。他にも様々な社内で起きうるリスクに対応しているため、賠償責任保険を選ぶことが望ましいでしょう。