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【社内リスク】訴訟が急増中!使用者責任の事例とは

残業代不払い・不当解雇実際にあった訴訟・判例

従業員には未払い請求や不当解雇取消しを訴える権利がある

残業代不払い・不当解雇はその行為自体が違法です。従業員は会社に未払い金や解雇取消しを請求する権利があります。

ここでは残業代不払い・不当解雇の裁判や判例について紹介しています。

残業代不払い・不当解雇に関する法的責任とは

残業代不払い・不当解雇等に関する企業の法的責任とは

事業主には解雇と残業代の支払いに関する法的責任があります。これを怠ると賠償責任の対象になります。

残業代
  • 時間外・休日労働は、規定の料率で残業代を支払う
  • 裁判所は不払い金の2倍の支払い命令が出せる
解雇
  • 解雇には正当な理由が必要
  • 解雇予告は30日以上前に行う
  • 30日前までに解雇予告がない場合、1か月分以上の平均賃金を支払う
  • 労働基準法

    労働基準法で規定されている残業代・解雇基準

    労働基準法は最低限の労働条件を定めた法令です。残業代に関する項目では、時間外・休日労働は規定の料率で残業代を算出して従業員に支払う義務があることを明確にしています。

    解雇に関する事項では、正当な理由なく解雇することを禁じ、30日以上前に解雇予告をし、それができない場合は給与補償(30日以上の平均賃金)が生じるとしています。

  • 労働審判手続き

    企業と従業員のトラブルを早期解決する労働審判手続き

    残業代不払いや不当解雇など、事業主と従業員の間でトラブルが起きた時、双方間の話し合いでは解決が難しいことがあります。労働審判手続きを申し立てることで早期解決につながります。

    労働委審判手続きは、労働審判員が間に立って3回以内で問題を適正かつ迅速に解決する制度です。

実際にあった訴訟・判例

実際にあった残業代不払い・不当解雇の訴訟と判例

残業代不払いや不当解雇に関して、事業主と従業員の間で協議を重ねても解決に至らない場合、裁判で争うケースが少なくありません。

ここでは実際にあった、残業代不払い・不当解雇の裁判について紹介します。

  • 残業代不払いに関するケース

    未払い分245万円の支払い命令

    被告:会社  原告:元営業所勤務  賠償額:245万円

    営業所に勤務し、通常の時間外労働に対して残業代が一切支払われず、退職後に未払い請求をする。従業員の勤務時間管理の把握と残業代の支払い義務を怠ったとして、企業に時間外勤務手当245万円の支払いを命じた。

    管理義務を怠り未払金を支払う

    被告:会社  原告:販売会社勤務  賠償額:未払残業代

    販売会社に勤務するAは、22時~4時までの時間外労働や休日労働が1年半にわたって続いたが、出勤簿の管理がなく残業代不払いとなる。裁判所は会社としの義務を怠ったとして未払金の支払いを命じた。

    一般的な管理職とは異なり支払い命令

    被告:会社  原告:ファストフード店長  賠償額:500万円

    ファストフード店長Aは、人件費削減のため、月100時間を超える時間外労働や休日出勤が続くも「管理職」のため残業代不払いとなる。裁判所は、Aの立場は一般的な管理監督者とは異なるとして、企業に対して500万円の支払いを命じた。

    店長の無報酬を却下して支払い命令

    被告:会社  原告:コンビニ店長  賠償額:未払残業代

    コンビニ店長Aはパートとアルバイトの穴埋めのために、長時間労働が続いたが、残業代不払いとなる。裁判所は、一般的な管理監督者と立場が異なるため、無報酬残業は認めないとし、残業代の支払いを命じた。

    141~180時間未満の残業代支払い命令

    被告:会社  原告:従業員  賠償額:未払残業代

    従業員Aの固定給与41万円の中に140時間分の残業代が含まれていて、180時間以上から別途支払われる。141~179時間分の残業代が不払い扱いにつき訴訟を起こす。裁判では180時間未満の時間外労働に対しても支払い義務があると判断した。

  • 不当解雇に関するケース

    理由のない内定取消しを無効

    被告:内定先の会社  原告:元内定者  賠償額:-(内定取消し無効)

    Aは大学在籍中に採用内定を受ける。入社予定日の2か月前に、突然就職先から内定取消しの通知が届く。理由が一切記させていないため無効を訴えて訴訟を起こす。裁判所は社会通念上、正当な理由がないとして内定取消しを無効とした。

    指導を怠ったとして解雇の無効判決

    被告:会社  原告:元ゲーム機メーカー勤務  賠償額:-(解雇無効)

    ゲーム機メーカーに勤務するAは、勤務成績不良を理由に解雇されたことで、解雇を無効と主張。これに対して裁判所は、企業の指導があれば改善の余地があったとして、解雇を無効とする判決を下した。

    病気休養中の解雇の取消し判決

    被告:会社  原告:元電機製造メーカー社員  賠償額:-円(不当解雇認定)

    電気製造メーカーに勤務するAは、病気のため休職していたが、退職扱いとなり、復職できなかったとして取消しを訴える。裁判所では、病気の原因が過重労働によるうつ病であるとし、不当解雇に相当すると判決を下した。

    横領証拠の立証なく解雇無効の判決

    被告:社会福祉法人  原告:元社会福祉法人の事務長  賠償額:-円(不当解雇認定)

    社会福祉法人の事務長Aは、横領の事実もなく横領を理由に解雇の処分を受ける。これを不服として解雇無効を訴える訴訟を起こす。裁判所は、横領した事実を立証するのは難しく、不当解雇にあたるとした。

    リストラ解雇に無効判決

    被告:派遣会社  原告:元派遣社員  賠償額:-円(不当解雇認定)

    派遣会社Aは業績悪化で派遣社員の整理解雇を行った。派遣社員Bもリストラの対象となり無効を主張。裁判所は整理解雇の必要性を認めたものの、充分な話し合いがなかったとして、不当解雇にあたるとした。

賠償責任補償の保険適用事例

賠償責任保険に加入して雇用リスクに備える

残業代不払い・不当解雇などで従業員から訴えられて無効と認められると、企業は未払い金や賠償責任金等、莫大な金額を支払うことになります。雇用リスクに対応する雇用慣行賠償責任保険などに加入していると、残業代不払いや不当解雇を理由として、従業員から賠償責任を問われた際に、賠償責任金などの補償が受けられます。

補償範囲は、事業者が支払うべき法律上の賠償責任と訴訟に関する経費と諸費用(調停、防御、和解まで)で、弁護士代も含まれます。(役員・従業員に対する給与、報酬は除く)

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不当解雇による問題に備える賠償責任保険加入

企業は事業を展開する中で様々なリスクに直面します。ここで紹介したケースはほんの一部であり、他にも実際に起きうる事例は様々です。

従業員を無休で残業させ、不当な理由で解雇をさせることは社会的にも法律的にも許される行為ではありません。しっかりと働いた従業員には対価として金銭で報酬を与えることが法律で決まっているため、企業は常に従業員への配慮をしておくことが重要です。企業の中には従業員が働きやすい環境作りに取り組んでいるものも存在しますが、現実的にこういった被害がなくならないのも事実です。企業は万が一の場合に備えて対応ができるよう準備しておくようにしましょう。

その備えとして、賠償責任保険への加入は必須事項と言えるでしょう。大きな損害を招いてしまった時は企業の存続自体が危ぶまれることもありますので、最悪の事態が起きてしまったときのためにも賠償責任保険への加入が望ましいでしょう。