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損害賠償責任保険の補償範囲
落雷

落雷被害の影響・リスク

まれなケースではありますが、落雷によって第三者に被害をもたらした場合、状況によっては企業に損害賠償責任が課せられる可能性があります。ここでは、過去に発生した落雷事故の事例と判例、および落雷事故で企業が負うべき責任について解説しています。

落雷被害の影響・リスクとは

企業主催のイベント等における落雷事故

落雷は予見が難しい自然現象です。よって、過去、落雷事故によって主催団体などが損害賠償を命じられたケースは、1例しかありません。しかしながらこの1例を見るに、裁判所は、落雷の予見可能性などにおいて主催団体に厳しい判決を出しました。 将来、この判決が標準化されるとすれば、企業は、落雷リスクを事業リスクの一つと考えなければならないでしょう。

落雷被害の影響を受けた事例

落雷を完全に予見することは難しいものの、企業には、落雷リスクを想定した行動が求められます。以下、企業等の主催イベントにおける落雷事故について、裁判所の判例を2つ見てみましょう。

サッカー大会における落雷事故

1996年、大阪府内で行われていたサッカー大会において、試合中に落雷が発生。雷の直撃を受けた選手は、一命こそ取り留めたものの、視力低下や四肢への著しい後遺障害が残りました。 原告であった被害者とその両親は、サッカー大会の主催団体に「落雷の予見ができた」として総額6億5000万円の損害賠償を求めて地裁に提訴。一審は原告敗訴だったものの、その後、控訴・上告・訴訟差し戻しを経て、改めて高裁が被告に対し3億700万円の損害賠償を命じました。 高裁の判断によると、「引率の教諭は落雷を予見でき、注意義務を怠った」としています。落雷による主催団体への損害賠償命令は、過去の例に照らしても極めて異例。頻発する事故ではありませんが、将来、同様の事故が発生した場合、同判決を標準化して審議される可能性があります。

野外ライブにおける落雷事故

2012年、大阪府内で行われる予定だった男性グループの野外ライブにおいて、入場前に激しい雷雨が発生。入場を待っていた2名の女性が木の下に避難した際、その木に雷が落ち女性2名とも死亡しました。 落雷被害者のうち1名の両親は、「野外ライブの主催団体は落雷を予見できた」「入場前の客を安全な場所に待機させる保護義務があった」として大阪地裁に提訴。約8000万円の損害賠償を求めたものの、地裁は請求を棄却しました。 のち両親は控訴・上告を重ねましたが、2017年7月、最高裁が訴えを退ける形で原告の敗訴が確定しました。 この事例は、上記サッカーの事例と正反対の判決ですが、人が集まるイベント等を主催する企業においては、常に落雷被害における損害賠償リスクが潜在していることを忘れてはいけません。

落雷被害の企業責任とは

落雷事故による被害者への法的責任

落雷事故によって企業に課せられる可能性がある法的責任は、被害者に対する損害賠償責任です。

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    損害賠償責任

    落雷の危険性が少しでも予見できる中で、かつ主催団体が適切な避難誘導を怠った場合、主催団体には落雷の被害者に対する損害賠償責任が生じる可能性があります。 上記サッカー大会の事例のように、被害者の年齢や主催団体の過失の程度によっては、極めて高額な損害賠償が命じられる可能性もあるでしょう。 なお、落雷事故による損害賠償責任は、他者への被害のみならず、自社従業員への被害においても課せられる可能性があります(社内スポーツ大会など)。

落雷被害の影響をカバーできる賠償責任保険の範囲とは

落雷により自社の所有物が被害を受けた場合、一般的な損害保険であれば、この被害を補償の範囲にしています。 一方で、落雷により他者に被害を及ぼした場合、損害保険がその損害賠償を補償するか否かは、保険商品次第です。落雷による損害賠償を補償しているかどうかについて、イベント等を主催することがある企業は、現在加入中の損害保険会社に確認してみるようにしましょう。

なお、スポーツや文化事業を営む事業者においては、公益財団法人スポーツ安全協会が「スポーツ・文化法人責任保険」を用意しています。保険加入中に上記サッカー大会のような不幸な事故があった場合、その損害賠償を補償する保険です。該当する企業は、同団体に直接お問い合わせください。