逓増定期保険の活用法
労災イメージ

多くの機能を持つ逓増定期保険の魅力

経営リスクの回避や会社の
資産運用に高い有用性

法人の節税対策として、経営者の退職金として、将来の設備投資資金としてなど、様々な機能を持つ逓増定期保険。様々な経営リスクに対応できるとして、多くの経営者が活用している保険商品です。ここでは、逓増定期保険のメリットやデメリット、加入の際のポイントなどについて詳しく解説します。

逓増定期保険とは

逓増定期保険の「逓増」とは、「徐々に増えていく」という意味。加入期間に応じて保険金額が「徐々に増えていく」定期保険のことを、逓増定期保険と言います。

満期にいたった時点での保険金額は、当初の契約保険金の5倍。1億円の契約をして、加入期間中に万が一のことがあれば、最大で5億円の保険金が支払われる、ということです。

なお、逓増定期保険は掛け捨ての保険になるため、満期給付金はありません。その代わりに、契約から早い段階で解約返戻率が100%になるといった特徴もあります。

逓増定期保険が法人におすすめの理由

逓増定期保険は、一般に法人にメリットの多い保険とされています。法人におすすめの理由を、具体的に3つ見てみましょう。

節税対策になる

逓増定期保険で支払った保険料の一部は、税務上、損金の対象となります(損金に算入できる割合は、条件により異なります)。保険料を損金に計上して利益を圧縮することで、節税効果が生まれます。法人における資産運用の一種と考えても良いでしょう。

経営者の退職金になる

経営者が退任するタイミングと解約返戻率のピークとを合わせて契約し、退任時に解約をすれば、経営者の退職金に充てることができます。法人の資産運用法の一つとして、退職金ではなく設備投資に充てる会社もあります。

経営者に万が一のことがあった場合の緊急資金となる

現役の経営者に万が一のことがあった場合、保険金を緊急の事業資金に充てることができます。

逓増定期保険加入のメリット・デメリット

逓増定期保険のメリットとデメリットを見ていきましょう。

逓増定期保険のメリット

【節税対策になる】

すでに説明した通り、逓増定期保険で支払った保険料の一部は、損金として計上することができます。目先の節税対策としては、有効な保険と言うことができるでしょう。

【短い期間で解約返戻率が100%近くになる】

商品にもよって異なりますが、逓増定期保険は、契約してから数年で解約返戻率が100%近くになります。加入して5年程度で100%近い返戻率となる商品も少なくありません(ピークを過ぎると徐々に返戻率は低下していいきます)。

【保険料を損金算入しながら様々なメリットを得られる】

経営者の退職金資金や、経営者に万が一のことがあったときの緊急資金など、逓増定期保険には様々なメリットがありますが、これらメリットを損金算入しつつ享受できるという点は、逓増定期保険の大きな魅力です。

逓増定期保険のデメリット

【解約のタイミングを間違えると大幅に損をする】

逓増定期保険の解約返戻率は、山なりです。加入すると勢い良く返戻率が上がり、数年後にピークを迎えて(返戻率はほぼ100%)、その後は徐々に下がっていきます。ピークを逃して数年経つと返戻率が著しく下がっているため、解約を前提として加入する場合には、常に返戻率の推移をチェックする必要があります。

【節税ではなく、単なる税金の繰り延べになることもある】

損金計上して節税を行なったとしても、解約返戻率がピークに達した時点で解約しなければ、節税効果が薄くなります。しかもピークに達したときに会社の業績が黒字の場合、保険金は雑所得に参入されて課税対象となります。節税を行なったにも関わらず、結果として単なる税金の繰り延べに終わることもあるので、注意が必要です。

【支払い保険料の分だけ、キャッシュフローが悪化する】

逓増定期保険の保険料は、会社の現金から支払うことになります。よって、たとえば年間の払い込み総額が1000万円の商品に加入した場合、当然ですが年間で1000万円分だけ、キャッシュフローが悪化します。加入時の会社業績だけを根拠にせず、将来の業績も見据えて加入を検討すべきでしょう。

逓増定期保険に加入する上でのポイント・注意点

低層定期保険への加入を検討する際には、以下のポイント・注意点を確認しておきましょう。

保険加入の目的を明確にする

節税対策を目的とするのか、経営者の退職金を目的とするのか、あるいは将来の設備投資を目的とするのか等、目的を明確にしましょう。満期まで加入を続けた場合は掛け捨てとなるため、基本的には、途中解約を前提とした目的を考えます。

解約のタイミングを忘れないようにする

繰り返しますが、逓増定期保険は解約返戻金のピークを過ぎると、徐々に返戻率は下がります。加入目的から逆算して加入するタイミングを考え、かつ解約するタイミングを忘れないようにしてください。

将来を見据えた無理のない保険料を設定する

目先の業績だけを基準に保険料を設定すると、将来、業績が悪化したときに保険料の支払いが資金繰りを圧迫します。景気動向や、業種のマーケット動向なども踏まえ、無理のない保険料の設定をしましょう。

高い解約返戻率を基準にして商品を活用する

逓増定期保険は高い解約返戻率がポイントです。節税や退職金だけではなく、経営者のアイディアによっては非常に便利な経営ツールになる可能性を秘めている保険商品です。

  • 01

    逓増定期保険を予備費として活用?

    逓増定期保険に加入していれば、解約返戻金を会社の予備費として蓄えていると考えることができます。銀行に現金を預けているわけではないので、少しずつ使うことができません。万が一に備えて、安定的に資金を貯めることができるツールとして利用することが可能です。

    保険会社が提供しているサービスによって異なりますが、数年後には100%近い変戻率に達する可能性があります。逓増定期保険の特徴である高い解約返戻金を基準に考えて、最大限に保険商品を活用してみましょう。

  • 02

    解約のタイミングが重要

    ただし、必ずしも100%近い変戻率に達するというわけではありません。逓増定期保険は解約するタイミングを逃してしまうと、徐々に返戻率が下がるので必ず満額に近い金額がもらえなくなります。多少なりともリスクがあり、常に解約のタイミングを見計らっていないといけないのです。変戻率のピークは5~15年と幅が広いため、利用している逓増定期保険の解約返戻金についてきちんと理解しておきましょう。

    逓増定期保険は、満期まで加入し続けると掛け捨てとなり、解約返戻金がもらえなくなります。会社経営者の多くが、途中で解約することを前提に加入するものだと言える保険商品でしょう。逓増定期保険に加入する際は、しっかりとした利用目的をもっていないと逆に損をしてしまいます。

    さらに、将来の業績を見据えたうえで保険料の設定をしないといけません。会社の業績が悪化してしまうと、保険料支払いの際の資金集めに苦労していまいます。

  • 03

    複数企業から比較すると〇

    逓増定期保険は財務強化対策や役員退職金の準備など、目的を持って活用すれば、会社にとってかなり有用な保険です。しかし、経営者にとって魅力的な部分が大きい分、リスクもあります。逓増定期保険の選び方によってリスクを抑えられるケースがあるので、1つの会社が提供している保険商品だけではなく、複数の保険商品の中から高い解約返戻金を基準にして選んでみてください。

    ただし、今後赤字になる可能性のある会社や、赤字が懸念される会社は要注意。キャッシュフローが安定している時期に加入するなど、会社の状況たタイミングを見極めてから検討することが大切です。