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損害賠償責任保険の補償範囲

リコール時の
補償内容とは?

リコールの内容と
リコール保険について

リコールとは、欠陥が確認された製品を製造者が公表、回収を行い、無償修理や交換または返金を行うことを言います。

その際に、リコールに係った費用を補償する保険が「リコール保険」です。他の呼称としては、リコール費用保険、生産物回収費用保険とも呼ばれています。

リコール保険の補償範囲について

リコール保険で補償される内容は、保険会社や契約内容によって異なる

リコール保険の販売は、損害保険会社や商工会議所などが行っており、その補償内容はプランによって様々ですが、概ね一般的には以下の内容が補償されます。

  • ・製品の回収費用および代品の輸送費

  • ・通信費用(電話・FAXなど)

  • ・社告費用(新聞・TV・ラジオなど)

  • ・製品の廃棄費用

  • ・人件費

  • ・倉庫での保管費用

また、販売されているリコール保険の内容によって異なりますが、一般的に以下の内容は、補償対象とならない場合があります。

  • ・保険契約者による意図的な不誠実行為

  • ・有効期間、使用期限後の事故

  • ・製品の効能や品質、耐久性についての虚偽の表示

  • ・経年劣化による消耗・劣化

  • ・信用・評判・収益の回復に関わる費用

  • ・保険始期以前に発覚していた、または当然知りえたことに起因する事故

  • ・政府機関によって課せられるペナルティー

保険商品としては、リコール保険単体で販売している保険会社もあれば、 三井住友海上の「ビジネスプロテクター」のように、さまざまなリスクに対応した保険の内の一つに含まれている場合もあります。自社の事業に合う最適な保険を選びましょう。

生産物賠償責任保険(PL保険)との違い

リコール保険と似ているようで違う生産物賠償責任保険(PL保険)

1995年7月1日より施行された「製造物責任法(PL法)」により、消費者が製造物の欠陥などで、生命や身体または財産に損害を被った場合、それを証明することにより、製造者に対し損害賠償を求めることができるようになりました。

こうした企業側のリスクをカバーする手段として、生産物賠償責任保険(PL保険)への加入が挙げられます。

生産物賠償責任保険(PL保険)とは、日本国内で製造および販売した製品や、工事などの結果が原因で、けがを伴うような人身事故が起こった場合など、法律上の損害賠償責任をカバーする賠償責任保険です。

生産物賠償責任保険というネーミングからもわかる通り、モノを生産する業種にとって必要な保険となります。代表的な業種だと、工事業や飲食業、製造業はPL保険への加入が必要不可欠と言えるでしょう。


補償範囲は保険会社によって多少異なりますが、一般的には以下が補償範囲となります。


  • ・損害賠償金

  • ・損害防止費用

  • ・権利保全行使費用

  • ・裁判、和解などに係った費用


リコール保険と生産物賠償責任保険(PL保険)の違いとしては、製造したモノによってユーザーが被った損害についてはPL保険。製品自体の損害についてはリコール保険の補償範囲となります。


大企業などでは、リコール保険と生産物賠償責任保険(PL保険)、両方に加入するのが一般的となっているようです。

業種に応じて適切な保険に加入しましょう

リコール保険であれ生産物賠償責任保険(PL保険)であれ、リスクヘッジとしていずれかの保険には加入しておく必要があるでしょう。

代表的な補償内容はどの保険会社もほぼ同じものになるかと思われますが、細かな補償内容については、実際に資料を取り寄せるか、保険会社の担当者へ詳しい内容を聞いたうえで判断することをおすすします。

  • 01

    食品業界では必須のリコール保険

    食品業界において、リコール保険は入っておくべき保険です。異物混入や食中毒事故が発生した時に、最初に、その時期に製造されたすべての商品の回収と廃棄をしなければならないからです。

    リコールは、保険会社によって補償範囲や限度額の内容が変わります。特に、リコール保険加入が大事な食品業界では以下の補償があるかどうかを確認すると良いでしょう。

    ・従業員による異物混入も補償されるか

    ・成分誤表示に関する補償は、7大アレルゲンに限定されていない

    ・健康被害のない事故によるリコールも補償されるか

    ・出荷前の事故も補償されるか

    ・再製造費用・廃棄費用まで補償されているか

    リコールが起こらないように心がけるとともに、万が一の場合には保険で迅速に対応できるようにしておきましょう。

    また、リコールをしなければいけない場合は、できるだけ早く対応することが必要です。決断が遅れて良いことなど一つもありません。

    もし製品に欠陥・不具合があると気付いたのに放置していたことが後々になって判明すると、裁判沙汰になった場合は非常に不利です。消費者の権利意識が高まっていたり、インターネットによる情報共有ツールが発展している現代では、企業イメージの悪化を防ぐために並々ならぬ努力が必要となるでしょう。

    リコール保険に加入していると「リコールをしよう」という決断が素早くでき、消費者に対する誠意を見せることで、企業イメージの悪化を早期に防ぐこともできるのです。

  • 02

    自身の会社に必要な保険を選ぶ

    リコール保険は、リコールが発生する業界でしか使えません。工事業を営んでいる企業はリコールが発生しない業種もあります。一方で、製造業など製品を生産し提供する業種については、リコールリスクへの備えが必要であり、保険への加入は必須と言っても良いでしょう。

    保険に加入する前には、事業内容と保険商材の補償範囲を照合するなど、必要のない保険に入ることのないよう、気を付けましょう。また、リコールは、一度発生してしまったら莫大な出費だけにとどまらず、社会的信用すら失う可能性のある大きなリスクです。企業が抱えるリスクはリコールだけに留まりませんので、できるだけ包括的な賠償責任保険に加入することをおすすめいたします。

    自身の会社がどのような保険に加入するのが適切なのか、この記事をお読みいただいて少しでも参考になれば幸いです。