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海外出張中のケガ・病気等を補償する海外旅行保険とは

海外出張中のケガ・病気等を補償する海外旅行保険とは

社員の万が一に備え法人契約を

海外出張の多い会社では、いつ何時、社員が出張先でケガや事故に遭うか知れません。日本に比べ、海外ではケガ・病気の治療費が高額です。海外旅行保険に加入していない人は、治療すら受けられない場合があります。社員の万が一に備え、海外出張の多い会社は、法人として包括的に海外旅行保険に加入しておくべきでしょう。

海外旅行保険の補償内容を確認

海外旅行保険の補償内容は、保険の種類により、また契約者の選択により異なります。包括的な補償のあるタイプの保険の場合、一般に以下のような補償内容となっています。

補償名 補償内容
傷害治療費用 ケガの治療費を補償
疾病治療費用 病気の治療費を補償
障害死亡 ケガによる死亡について補償
傷害後遺障害 ケガによる後遺障害について補償
疾病死亡 病気による死亡について補償
賠償責任 他人への賠償責任について補償
携行品損害 携行品の盗難について補償
救援者費用 ケガ・病気で入院した際、家族が現地に駆けつける費用を補償
入院一時金 ケガ・病気による一定期間以上の入院について補償
航空機寄託手荷物遅延費用 手荷物の到着が遅延し、身の回り品を緊急購入した際の費用を補償
航空機遅延費用 航空機の遅延の影響による宿泊費・食事代などを補償
旅行変更費用 避けられない事情(テロなど)で旅行内容を変更した場合に生じた費用について補償
偶然事故対応費用 予期せぬ偶発的な事故による予定外の出費(宿泊費や食事代など)を補償

海外出張のある人は海外旅行保険に加入すべき

一般に、海外においてケガや病気で病院のお世話になった場合は、日本とは比較にならないほどの高額な治療費が発生します。参考までに、日本損害保険協会の公式サイトから、主要な海外の都市における盲腸手術の治療費の総額を、一部ご紹介します。

■ホノルル…2,560,000円

■ロサンゼルス…1,624,400~2,165,800円

■ロンドン…1,302,800~1,737,100円

■パリ…860,500円

■モスクワ…533,900~618,600円

■シンガポール…154,800~773,800円

■バンコク…511,000円~

■上海…112,500円

■北京…45,000~90,000円

上記をご覧いただいて、どのような感想を持ったでしょうか? 加えて、日本では救急車による搬送は無料ですが、アメリカでは1回123,000円の費用がかかります。治療費が高額になることから、海外旅行保険に加入していない人は治療を受けられない場合すらあります。

長期にわたる海外出張を予定している人、または海外出張の頻度が高い人は、いつ何時、病院のお世話になるとも知れません。必ず海外旅行保険に加入しておきましょう。

海外旅行保険に法人で加入する3つのメリット

海外出張の可能性がある社員が社内に複数在籍している場合には、個別で海外旅行保険に入るのではなく、法人契約したほうがメリットは大きいと言えます。具体的なメリットは、以下の3点です。

■保険料を全額損金に参入できる

法人契約にした場合、会社が支払う保険料は、社員への福利厚生として認められるため、全額が損金の対象となります。

■保険料の割引を受けられる場合がある

社員単位で海外旅行保険を契約した場合、総額の保険料は、単純に「保険料×契約した社員数」になります。一方で法人契約をした場合は、包括契約としての保険料割引特典を受けられることがあります。

■事務手続きが簡素化される

契約や保険料の支払い等を一括で行なうことができるため、事務手続きが簡素化されます。手続き上のミスも減ることでしょう。

法人で加入する場合の注意点

万が一、被保険者が海外で死亡した場合、保険金は誰が受け取ることになるのでしょうか?

個人で契約する海外旅行保険の場合、保険金の受取人は、原則として法定相続人になります。一般に配偶者と子が法定相続人になりますが、子がいない場合には配偶者と両親が法定相続人です。両親もいない場合には、配偶者と兄弟姉妹になります。

一方、法人で海外旅行保険を契約した場合は、保険金の受取人を、法定相続人ではなく会社にすることができます。もちろん会社が勝手に受取人を変更することは許されておらず、従業員本人の承諾による正式な受取人変更手続きが必要となります。

なお会社が保険金を受け取った場合、その保険金が全額家族に支払われるとは限りません。通常、保険金の一部が弔慰金などの名目で家族に支払われます。

労災で補えない部分を海外旅行保険で

国内であれ海外であれ、いつどんな時に事故に遭うのかは誰にも分かりません。特に、海外でケガや入院をすると治療費が跳ね上がってしまうことも考えられます。個人で海外旅行保険に入ってもらい、費用を立て替える会社も多いですが、法人で海外旅行保険に加入することは会社にとってもメリットが大きいのです。

労災では一時的な出張しか補償されない

海外出張中のケガや病気については、一定の条件を満たせば、日本の労災でも補償されます。ただし労災での補償は、あくまでも一時的な海外出張をしている従業員が対象。現地の勤務先に所属するなどの長期出張については、補償の対象外となります。また労災は、仕事以外の時間(観光や買い物など)に負ったケガや病気は補償していません。

法人契約で海外旅行保険に加入する場合は、海外出張・海外駐在の包括的なリスクに備えたプランもあります。海外には日本のような社会保険制度がないため、治療や入院で莫大な治療費を請求される可能性は十分に考えられます。そのため、海外出張時には海外旅行保険は不可欠と言えるでしょう。

日本の社会保険にも労災保険は含まれていますが、海外に長期駐在する場合は補償の対象外です。

リスク管理だけでなく、社員との信頼関係強化にも繋がる

企業には、海外旅行保険に入るべき義務はありません。しかし、保険に加入しなければ社員が一人でリスク対策を行なう必要があります。こんな状態では、いざ出張や転勤を命じても快く受け入れてくれるとは限りません。法人で保険に入っていれば、社員は余計な心配事で頭を悩ませることなく海外へ飛び立たてるでしょう。

社員との強固な信頼関係は、企業にとって金銭に変えられない財産となります。目に見えない財産を築くだけではなく、法人で保険に加入するメリットは多いのです。

例えば、保険料は必要な費用とみなされるのですべて損金算入ができ、経緯費として上げることができます。企業によっては社員一人ひとりに保険に加入してもらい、保険料を立て替えるようですが、法人契約をしてしまえば、契約や保険料の支払いをまとめることができるので、事務手続きがスムーズになります。また、対象人数によっては保険料が割引されるため、結果的なコストダウンにつながることもあるのです。

社員の万が一に備え、ひいては会社の財産を守るため、海外出張の多い会社は、法人単位での海外旅行保険に加入することを検討してみてもよいのではないでしょうか。

参考文献

[1]日本損害保険協会公式サイト「からだの保険・他 / 海外旅行傷害保険」(参照2017-12-16)

http://soudanguide.sonpo.or.jp/body/q080.html

[2]損保ジャパン日本興亜公式サイト「新・海外旅行保険【off!(オフ)】」(参照2017-12-16)

http://www.sjnk.co.jp/kinsurance/leisure/off/

[3]au損保公式サイト「海外旅行保険」(参照2017-12-16)

http://www.au-sonpo.co.jp/pc/kaigai/