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損害賠償責任保険の補償範囲

土木工事保険の補償範囲

土木工事の事故で
生じた損害を補償

土木工事を主体とする工事において、万が一の事故が起きた際、その損害を補償するのが土木工事保険。基本的には、工事の目的物(道路、足場など)の損害を補償します。ここでは、土木工事を請け負う業者には必須の土木工事保険について、その補償範囲や保証期間、注意事項などについて詳しく解説します。

土木工事保険とは?

土木工事保険とは、土木工事の開始から終了までの間に「不測かつ突発的な事故」が生じた際、その損害について補償する保険です。

土木工事保険の対象は、あくまでも「土木工事」および「土木工事を主体とした付随的な工事」における損害のみ。具体的には、道路工事やトンネル工事、上下水道工事などです。

よって、たとえば「建物の建築工事」や、「建物の建築工事に付随する土木工事」などは、土木工事保険の対象とはなりません。

土木工事保険は、土木工事を請け負っている業者にとっては、すでに一般的な保険です。

ただし、その補償内容を正確に理解しておかないと、万が一の事故による損害が生じた際、保険金が降りない可能性もあります。たとえば、土木工事に関わる事故で従業員がケガをした場合、その治療費や入院費が土木工事保険で補償されるわけではないので注意してください。

土木工事保険の対象とは

土木工事保険が対象とする工事、またな補償内容について確認します。以下、損保ジャパン日本興亜の土木工事保険の補償内容を見てみましょう。

■対象となる工事

道路工事・鉄道工事・橋梁工事・トンネル工事・地下鉄工事・ダム工事・港湾工事・河川工事・上下水道工事・地下街工事・地下駐車場工事・土地造成工事、など

土木工事と並行または関連して、建物の建築を主体とする工事を行なう場合、土木工事保険の補償対象とはなりません。建物工事においては、建物工事保険や組立保険に加入する必要があります。

■対象となるモノ

  • ・工事の目的物(道路など)
  • ・工事の目的物に付随する仮工事の目的物(足場工など)
  • ・工事の目的物・仮工事の目的物の工事のために仮設される工事用仮設物(電気配線など)
  • ・工事現場の事務所や倉庫等に収容されている什器・備品
  • ・工事用の材料、および工事用の仮設材

なお、たとえ工事に必要なモノであったとしても、以下は保険の対象にならないので注意してください。

  • ・据付機械設備等の工事用仮設備、工事用機械・器具・工具等
  • ・ 航空機、船舶、水上運搬用具、機関車、自動車、その他の車両
  • ・ 設計図書、証書、帳簿、通貨、有価証券等

これらの被害に補償を付ける場合には、機械保険や自動車保険への加入が必要となります。

[1]

補償額に関する一般的な考え方

土木工事保険における補償額は、一般に次のような考え方に基づいていて算定されます。

■保険会社の支払限度額まで

契約者と保険会社との間で、保険金の支払限度額を設定します。どれだけ大きな被害を受けても、保険金は限度額までしか支払われない、という設定です。

保険会社にとってみれば、想定外の大きな保険金の支払いが生じないという意味で、リスク回避の手段となります。逆に、契約者にとってみれば、支払限度額を設定することで保険料を安く抑えられるというメリットがあります。

■免責金額を超えた分のみ

一定金額までの被害については、工事を行なう会社が自己負担で対処するという取り決めのことを、免責と言います。免責を設定した場合、仮に工事で損害が発生したとしても、保険金は免責金額を超えた分しか支払われません。

■原状回復費用よりも高い保険金は支払われない

]土木工事で損害が発生したとしても、その復旧にかかる正当な金額以上の保険金が支払われることはありません。

たとえば、実際に損害を受けた工事よりも質の高い工事を行なった場合でも、工事の質の向上にともなう費用増加分については、保険金が支払われません。

保険期間は着工日から引渡し日まで

土木工事保険の保険期間は、「工事着工の日」から「工事目的物の引渡し日」までです。通常、工事に必要な機材や資材の荷下ろしが終了した時点から保険期間がスタートし、工事引渡し予定日(保険証券に記載のある時刻)に保険期間が終了します。

なお、工事が引渡し予定日よりも早く終了した場合は、その終了時点にて保険期間も終了します。逆に、工事が引渡し予定日よりも遅延しそうな場合には、保険期間の延長手続きが必要となるので注意してください。

また、年間で多くの土木工事を請け負っている業者については、年間包括契約(1年で請け負う工事をまとめて補償)を結ぶこともできます。

従業員のケガや他人への損害には適応されない

土木工事において従業員がケガ・死亡した場合、または、工事の第三者にケガを負わせてしまったり財物に損害を与えてしまったりした場合、その治療費や損害賠償は、別の保険によってカバーされることになります。土木工事保険では補償されないので、注意してください。

■従業員のケガ・死亡を補償する保険

土木工事によって従業員がケガをした場合、または死亡した場合、これを補償する保険は労災保険や労働災害総合保険です。

■第三者のケガ・死亡を補償する保険

土木工事によって工事の第三者がケガ・死亡した場合、または第三者の財物に損害を与えた場合、その損害賠償を補償する保険は、請負業者賠償責任保険です。

他の保険も含めた適切な保険に加入を

工事を行なっている以上、事故やトラブルの可能性は少なくありません。実際に「道路工事中、地中に埋まっていた不発弾が爆発した」「クレーンで吊り上げた重さ1.8tの資材が、ワイヤー切断により落下した」などの事故が発生しています。

そのため、土木工事保険は、道路・トンネル・下水道などの土木工事を請け負う事業者にとって必要不可欠な保険なのです。混同しがちですが、建物工事の作業で生じた損害は対象外になります。もし建物工事による損害を補償してもらいたい場合は、建物工事保険や組立保険が最適でしょう。

  • 01

    業界柄、工期もとても重要

    土木工事保険は、基本的に着工日から目的物の引渡し日までの期間で保険が適用されることになります。もし引渡し日が予定よりも遅れそうな場合は、保険期間延長の手続きが必要です。

    年間を通して土木工事を請け負っているなら、1年間の工事をすべて補償してくれる包括契約が可能な保険会社を選ぶのがおすすめ。

    ただし、土木工事保険は、土木工事に関する損害すべてを補償できる保険ではありません。あくまでも、予測できない自然災害や火災、資材の盗難などの事故による損害を補償する保険です。保険加入時には、その点に十分注意する必要があります。

    また、従業員がケガをした時の治療費や、工事に関係ない第三者が被害に遭った時の補償は対象外であることを、しっかり理解しておいてください。

  • 02

    自社で対策が必要なリスクから見てみるといい

    土木工事保険を商品として扱っている保険会社の数は多く、それぞれ補償内容にも違いがあるため、どこを選べば良いのか迷う方が多いのではないでしょうか。

    まずは、自社で対策が必要なリスクをすべて洗い出してみてください。土木工事保険では従業員や第三者のケガや死亡事故の補償はできないため、そういったリスクをカバーできる保険も必要になります。

    中には、1つであらゆるリスクに対応できる保険プランを用意している保険会社もあるので、自社に合ったところをチェックしてみてください。

参考文献

[1]損保ジャパン日本興亜「土木工事保険のご案内」デジタルパンフレット

URL:http://www.sjnk.co.jp/~/media/SJNK/files/hinsurance/contents1/engin_1702.pdf