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損害賠償責任保険の補償範囲

事業活動総合保険の補償範囲

事業に生じた損害を包括的に補償する保険

事業への万が一の損害を包括的に補償する保険が、事業活動総合保険。一般的な火災保険が補償している建物への損害だけではなく、休業中の喪失利益や社員への給与、他人に損害を与えた際の損害賠償など、会社の存亡に関わるような重大な損害について、広くカバーする保険です。ここでは、事業活動総合保険の特徴や補償内容などについて詳しく解説します。

事業活動総合保険とは?

事業活動を安心して行なっていくためには、様々な種類の保険に加入する必要があります。火災保、損害賠償保険、傷害保険、店舗休業保険などです。

これら様々な保険を包括的にまとめたものが、事業活動総合保険です。経営者の中には、法人で加入している保険について、次のような悩みを持っている方もいらっしゃるでしょう。

  • どの保険に入っていたか分からなくなった
  • どの保険がどんな補償内容だったか忘れた
  • 加入済みの保険だけでは必要な補償が網羅されていないかも知れない
  • 加入済みの保険で、補償内容が重複している可能性がある
  • たくさんの保険の更新手続きが面倒

事業活動総合保険に加入すれば、基本的には保険契約1つだけで、事業に関わるリスクへの備えが概ねカバーされます。また、補償内容の重複によるムダな保険料の支払いもなくなります。

どんな保険に入ったら良いか分からなってきたという経営者は、ぜひ事業活動総合保険への乗り換えを検討してみましょう。

事業活動総合保険がカバーしている補償の範囲

事業活動総合保険がカバーするリスクの範囲は、保険会社や契約内容による違いはあるものの、基本的には「物損障害」「休業障害」「賠償責任」の3点になります。

以下、あいおいニッセイ同和損保の「タフビズ 事業活動総合保険」に基づいて、同種の保険のカバー範囲について確認していきましょう。

物損障害

不測かつ突発的な事故・災害によって建物や財物に損害が生じた場合、この損害を補償します。具体的には、次のような事故・災害による損害を補償しています。

  1. ①火災・落雷・爆発・破裂
  2. ②風災・雹災・雪災
  3. ③水ぬれ
  4. ④騒擾、労働争議等
  5. ⑤航空機の墜落、車両の衝突等
  6. ⑥建物の外部からの物体の衝突等
  7. ⑦盗難
  8. ⑧水災
  9. ⑨上記以外の不測かつ突発的な事故

なお、事業活動総合保険に加入することで、上記のすべての事故による損害が補償されるわけではないので、誤解のないようにしてください。プランの違いにより、補償されるものと補償されないものとがあります。プランごとの詳細については、保険会社に直接お問い合わせください。

休業障害

不測かつ突発的な事故・災害によって休業を余儀なくされた場合、この休業によって生じた損害を補償します。事故や災害の種類については、上記、物損障害の①~⑨、および「食中毒・特定感染症」となります。

なお、具体的な補償の種類は以下の通りです。

  • 休業によって喪失した利益
  • 休業中に発生する人件費等の経常費用
  • 営業継続のために賃借した仮店舗等の費用
  • 営業再開に向けた広告費等の諸経費

物損障害と同じように、休業障害においても、プランの違いによって補償されるものと補償されないものとがあるので、注意してください。

賠償責任

業務を遂行している際の偶発的な事故等が原因で、他人の身体や財物に損害を与えた場合、被害者に対する損害賠償や各種費用等を補償します。具体的には、以下の内容を補償しています。

  • 法律上の損害賠償
  • 被害者に支払う治療費・入院費等
  • 争訟費用(弁護士報酬、訴訟費用など)
  • その他の費用(損害防止費用、緊急措置費用など)
[1]

補償が適応されないケース

事業活動総合保険は、すべての事故・災害による損害を補償しているわけではありません。あいおいニッセイ同和損保の「タフビズ 事業活動総合保険」を例に、補償が適応されないケースをいくつかご紹介します。

  • 契約者や被保険者等における重過失・法令違反で生じた損害
  • 雨、風、雪などの吹込みや漏入で生じた損害
  • 契約者や被保険者等が所有または運転する車両の衝突による損害
  • 火災等による財物の紛失
  • 地震や噴火等による津波被害
  • 保険対象物の経年劣化等による損害
  • 保険対象物の機能低下を伴わない損害、など

火災保険において補償が適応されないケースと、概ね同じと考えて差し支えありません。

各保険会社の事業活動総合保険概要

保険会社と保険商材 主な補償内容 加入・契約方式
三井住友海上
【ビジネスプロテクター】

施設所有(管理)者リスク
漏水リスク
昇降機リスク
国外業務(海外出張)補償
生産物、仕事の結果リスク
管理財物損壊補償
訴訟対応費用補償
基本補償 (2プランから選択)
東京海上日動火災保険
【超ビジネス保険】

財産に関する補償
工事に関する補償
休業に関する補償
賠償責任に関する補償
労災事故に関する補償
基本補償 (必要なプランを任意に選択)
損保ジャパン日本興亜
【ビジネスマスター・プラス】

物損害リスク(物損害ユニット)
賠償責任リスク(賠償ユニット)
業務上の災害リスク(傷害ユニット)
休業損失リスク(休業ユニット)
基本補償 (ユニットやプランを任意選択)
AIG損保(旧AIU保険)
【スマートプロテクト】

業務災害リスクに対する補償
雇用リスクに対する補償
賠償責任リスクに対する補償
財産・休業損失に対する補償
基本補償 (補償内容を任意に選択)
日新火災海上保険
【ビジサポ】

他人の身体の障害や財物の損壊
借用財物の損壊
生産物・仕事の結果に関するリスク
訴訟費用・弁護士費用
損害賠償金以外の各種費用
基本補償 (業種別に保険を選択)
共栄火災
【K-Biz商売の達人】

施設・業務遂行に起因する賠償責任
生産物に起因する賠償責任
預かり物(動産・自動車)に起因する賠償責任
見舞い費用
生産物自体の損害・回収費用
基本補償 (2プランから選択)
あいおいニッセイ同和損保
【タフビズ事業活動総合保険】

財物の補償
休業損害の補償
賠償・費用の補償
基本補償 (3プランから選択)
大同火災海上保険
【DAY-PRO!賠償総合保険】

施設リスク(施設・設備・昇降機の管理不備による賠償)
業務リスク(仕事の遂行に起因する賠償)
生産物リスク(製造・販売したものや仕事の結果に起因する補償)
漏水補償特約
管理財物補償特約
基本補償+オプション補償

保険会社各社の事業活動に関する保険概要

三井住友海上「ビジネスプロテクター」

■1つの保険で事業を取り巻く様々なリスクをまとめて補償

三井住友海上のビジネスプロテクターは、事業にまつわる賠償責任リスクを包括的に補償してもらえる賠償責任保険です。

主な補償内容として、施設管理のリスクや業務リスク、生産物や仕事の結果リスクなど、様々なリスクに対する補償が含まれており、1つの保険で過不足なくリスクに備えられるメリットがあります。 また、契約に際しては、ベーシックプランとプレミアムプランの2プランから希望のプランを選択し、さらにオプション補償によって、補償内容を拡充させることも可能です。

尚、ビジネスプロテクターでは、建設業用と海外輸出用の保険商材が別に用意されており、それぞれの事業者は専用の保険を選択します。

東京海上日動火災保険「超ビジネス保険」

■必要な補償を1つの保険で包括的にプランニング

東京海上日動火災保険の超ビジネス保険は、それまでは個別に契約する必要があった様々な補償を、1つの保険でカバーできる総合賠償責任保険です。

財産に関する補償、賠償責任に関する補償、休業に関する補償など、5分野に関する補償カテゴリが存在し、それぞれについてさらに細かくプラン分けされている基本補償から、必要なものを任意に選択していく、オーダーメイド型の事業活動総合保険ともいえます。

また、国内だけでなく国外の事故も対象範囲に含めたり、さらに様々な特約(オプション補償)を付加して補償範囲を拡大できたりと、事業ニーズに合わせてあらゆる事態に備えられるだけでなく、複数の保険に加入して補償が重複する心配もないので、事業者にとっては効率性の高い保険といえるでしょう。

損保ジャパン日本興亜「ビジネスマスター・プラス」

■1契約で、事業活動を取り巻いている様々なリスクをトータルカバー

損保ジャパン日本興亜のビジネスマスター・プラスは、1つの保険契約によって、多種多様な事業リスクが包括的に補償される、事業活動総合保険です。

基本補償として、物損害リスク、賠償責任リスク、業務上の災害リスク、休業損失リスクの、4リスクが補償ユニットとしてカテゴリ分けされており、ニーズに合わせてそれぞれのユニットを組み合わせていくことができます。

また、小売業や製造業、工事業、物流業など、業種ごとに対応したプランも用意されており、それぞれの業種にとって想定されるリスクに関して、1プランでまとめて備えることも可能です。

AIG損保(旧AIU保険)「スマートプロテクト」

■事業リスクやニーズに合った補償を包括的にカバー

AIG損保のスマートプロテクトは、事業に関するコンサルティングを通して、それぞれの事業リスクやニーズに対応した補償を、1つの保険でまとめてカバーできる保険です。

基本補償として、業務災害、雇用リスク、賠償責任、財産の4分野に関する補償がさらに細かく用意されており、必要な補償内容や補償範囲を、自由に設計していくオーダーメイド型の総合事業者保険となっています。

契約時は、専用システム「スマートサクセス」を利用して、タブレット端末などで簡単に申し込みができる他、保険契約者はメンタルケアカウンセリングサービスや労務相談ホットラインサービスなど、様々なカウンセリングサービスを利用することも可能です。

日新火災海上保険「ビジサポ」

■業種ごとの事業リスクを1つの保険でまとめて補償

日新火災海上保険のビジサポは、業種ごとの事業リスクを、1つの保険契約によって包括的に補償してもらえる保険です。

建設業、工事業、運送業、小売業など、それぞれの業種別に用意されている保険商材は合計7種類があり、契約時はそれぞれのカテゴリに対応する保険商材を選んで加入します。

それぞれの保険では、生産物・仕事の結果に関するリスクや、施設管理に関するリスク、管理財物の損壊、リコールといった、様々なリスクやトラブルに対する補償が基本補償として設定されており、事業リスクに過不足なく備えられる点が安心感を高めてくれます。

共栄火災「K-Biz商売の達人」

■事業活動を取り巻く賠償責任リスクをまとめてセット

共栄火災のK-Biz商売の達人は、事業活動にまつわる様々なリスクに対する補償が、1契約でまかなえる事業活動総合保険です。

基本補償として、施設・業務遂行に起因する賠償責任、生産物に起因する賠償責任、預かり物(動産・自動車)に起因する賠償責任に伴う費用が補償される他、特約によって、訴訟費用や企業イメージの回復に要した費用なども幅広くカバーできます。

また、ワイドプラン・ベーシックプランの2つが基本補償プランとして用意されており、さらに必要に応じたオプション補償などを、自由に付帯していく契約方式が採られています。加えて補償金額については、契約期間中の総支払限度額として、1億・3億・5億円の3コースから選べるので、個別の補償に関して保険金額を設定しなくて済む点もメリットです。

あいおいニッセイ同和損保「タフビズ事業活動総合保険」

■思わぬ事故や災害における様々なリスクを包括補償

あいおいニッセイ同和損保のタフビズ事業活動総合保険は、建物に対する補償や、事業活動を行う中で発生する、思わぬ事故や災害によって生じた費用や損害賠償責任などを、まとめてカバーできる保険です。

基本補償として、財物の補償、休業損害の補償、賠償・費用の補償という、3つのカテゴリが用意されており、それぞれをニーズに合わせて自由に設計していくことが可能です。

また、それぞれの基本補償の内容は、さらにワイドプラン・ベーシックプラン・エコノミープランの3つで細分化されており、補償内容や保険料のバランスを考えながら、ベストな保険をプランニングしていけるセミオーダーメイド型の事業活動総合保険といえるでしょう。 その他、オプション補償や、事故発生後の早期事業再開をサポートするサービスなども充実しており、想定されるリスクに対して幅広く備えておくことができます。

大同火災海上保険「DAY-PRO!賠償総合保険」

■1つの保険で様々な事業リスクに対して幅広く備えられる補償

大同火災海上保険のDAY-PRO!賠償総合保険は、1つの保険契約で、企業を取り巻く様々なリスクを総合的に補償してもらえる保険です。

基本補償として、施設に起因するリスクや、仕事の遂行・結果に起因するリスクなどに備えられる他、様々な賠償オプションを付帯することで、基本補償の範囲をさらに拡充できます。

また、事故に伴って発生する諸費用についても、費用オプションが用意されており、補償額や補償内容・補償範囲などを、ニーズに合わせて拡大していくこともできます。

その他、支払限度額や免責金額について、複数のパターンを組み合わせて保険内容を設定していくことができるので、企業ニーズに合わせて細かく補償を設計していくことが可能です。

事業活動総合保険が適用されるケース

以下に、事業活動総合保険で補償されるケースの例をまとめています。ただし、事業活動総合保険は、各保険会社や保険商材によって補償される範囲が異なることも多く、具体的な内容は契約前にしっかりと確認しておかなければなりません。

財産に関する補償

  • 火災、落雷、爆発、風災、漏水などによって、施設や管理財物に生じた損壊。
  • 管理している機材や預かり品、通貨・預金証書などの盗難。

賠償責任に関する補償

  • 仕事の結果や、製造・販売したものによって、第三者の身体・財物に生じた損害。
  • 施設の管理不備や事業活動に起因して、第三者の身体・財物に生じた損害。
  • サイバー事故や情報漏えい事故、リコール事故などに伴う損害賠償責任。

工事に関する補償

  • 工事によって生じた地盤沈下に起因する損害賠償責任。
  • 工事中の事故によって納期に間に合わなかった場合に伴う損害賠償責任。

労災事故に関する補償

  • 労災事故に関する政府労災等の上乗せ補償。
  • 使用者賠償責任補償。

休業損害に関する補償

  • 事故によって休業した場合の喪失利益を補償。
  • 事故によって、第三者の事業継続が困難になった場合の損害賠償責任。

事業活動総合保険が適用外となるケース

事業活動総合保険では、損害や賠償責任が補償されないケースもあります。個別の補償範囲に関しては、事前に確認しておくことが欠かせません。

  • 保険契約者や被保険者の、故意や重大な過失による損害。
  • 戦争、革命、内乱、武装反乱などに起因する損害。
  • 国または公共機関の法令などの規制に起因する損害。
  • 事業者が必要な資格を持たずに仕事をした場合の損害。
  • 差し押さえや没収など、公権力の行使によって生じた損害。

法人向けの普通の火災保険との違い

事業活動総合保険は、言わば法人向け火災保険のワイド版です。

普通の火災保険の場合、火災・落雷・爆発等による建物や財物の損害や臨時費用などを補償しますが、休業時の想定利益や費用、事故による第三者への賠償責任は補償していません。これら様々な補償を付けるためには、様々な特約を追加していく形になります。

事業活動総合保険の場合、これら特約の多くが、始めから基本補償の中にセットされている、と考えて良いでしょう(プラン内容によって異なります)。すなわち、法人向け火災保険のワイド版、ということになります。

すでに法人向けの普通の火災保険に加入している経営者は、今一度、補償内容と保険料を見直してみてください。同じ補償内容でも、「火災保険+各種特約」より「事業活動総合保険」のほうが、保険料は有利になるかも知れないからです。

重大事故から会社を守る保険

事業活動総合保険は、不測かつ突発的な事故・災害による「建物の損害」「休業の損害」「他人への賠償」をまとめて補償してくれる保険です。

特に「建物の損害」については台風や大雪など、自然災害によって店舗や事務所の損害を補償してもらえます。自然災害以外の「偶然起きてしまった事故」でも幅広く補償してもらうことが可能です。

  • 01

    経営を第一に補償範囲を考慮した保険選定が一般的

    「建物の損害」に関する保険は事業活動総合保険以外にもあり、別の保険でカバーしている経営者が多くいます。しかし、「休業の損害」や「他人への賠償」について手薄になっている経営者は少なくありません。「休業の損害」や「他人への賠償」に対する保険に加入しておらず、休業を余儀なくされた企業がそのまま倒産にいたるケースは、ニュースでも耳にするほどです。万が一会社の事業によって他人を死亡させたり高度障害を負わせたりした場合、請求される賠償額は数億円になる可能性が。社会的な立場はもちろんですが、損害賠償金支が払えなくなり、会社の存続にかかわる重大事故になりかねません。

  • 02

    事業の前進には保険の見直しも欠かせない

    会社を経営していくということは、たくさんのリスクがつきものです。事故が発生すると被害が拡大し、会社自体の存続があやぶまれることも。そのため、どんな事故に対しても包括的に対応できる保険である事業活動総合保険に加入したほうが良いのです。

    経営者の方は、今一度、加入済みの保険の内容を見直してみましょう。会社の存続に関わる重大な事故への補償がカバーされていないならば、早急に事業活動総合保険への乗り換えを検討すべきです。

    経営者の中には、加入済みの保険がたくさんあり過ぎて更新手続きが面倒だと考える方も加入しています。会社を経営する上で法人向けの保険の管理についても効率化を図り、限られた時間を有効活用しているそうです。必ずしも補償してもらえる金額だけを見て保険を選ぶのではなく、事業をさらに拡大するために一つにまとめられている保険を利用する手もアリですね。

参考文献

[1]あいおいニッセイ同和損保の「タフビズ 事業活動総合保険」

URL:https://www.aioinissaydowa.co.jp/business/product/toughbiz/pdf/jigyokatudo.pdf