【社外リスク】業種別に見る会社の賠償責任事例

販売業実際にあった訴訟・判例

販売業や小売業で損害賠償責任を争点とした事例集

販売業や小売業では店舗での事故に対する責任もあれば、販売後の商品が原因となる事故に対する責任が問われることもあり、賠償責任を問われた訴訟とその判決を紹介します。

  • 販売・小売業における訴訟・判例1「ショッピングセンターでの買物客の転倒事故」

    高齢者が落ちていたアイスで滑って転倒、骨折した事例

    • 事件名:ショッピングセンターでの買物客の転倒事故
    • 提訴年月日:-
    • 裁判所:岡山地裁
    • 原告:消費者
    • 被告:ショッピングセンター
    訴訟内容
    高齢者がショッピングセンターの床に落ちていたアイスクリームで足を滑らせて、骨折するなどのケガを負った事例。転倒した場所はアイスクリーム売場のすぐ前で、高齢者の靴は特段滑りやすいものではなかったことなどから、ショッピングセンターの安全管理義務違反が問われる結果となった。
    請求額
    -
    争点
    原告は店舗に対して安全管理がきちんとなされていなかった不法行為責任と、滑りやすくなっていた床をそのままにしていたことの土地工作物責任によって損害賠償責任を求めた。
    一方、被告である店舗側は店の責任ではないとの主張、及び責任があったと仮定しても過失相殺9割だとした。
    判決内容
    裁判では転倒の原因がアイスクリームであることを推認するとともに、店舗側に安全管理義務があると結論づけた。小売業の中でもショッピングセンターは老若男女問わず不特定多数が訪れる場所であり、アイスクリームが落ちて足を滑らせる人がいることも簡単に予想できると指摘。一方で、被告側の注意義務についても触れて過失相殺を2割とした。
    認容額(賠償額)
    原告の過失割合は2割相当
  • 販売・小売業における訴訟・判例2「コンタクトレンズ説明義務違反事件」

    目の異常で眼科医とコンタクトレンズ販売会社を提訴

    • 事件名:コンタクトレンズ説明義務違反事件
    • 提訴年月日:-
    • 裁判所:大阪地裁
    • 原告:消費者
    • 被告:眼科医、コンタクトレンズ販売会社
    訴訟内容
    コンタクトレンズを購入した後、角膜混濁や矯正視力低下といった後遺障害に悩まされている原告。そのコンタクトレンズを販売した会社と、購入時に検査を行った眼科医を相手取って損害賠償を起こした。眼科医はコンタクトレンズ販売会社と業務提携している。
    請求額
    802万余円
    争点
    原告が購入したコンタクトレンズはタンパク質などの汚れが付きやすい普通の含水性製品で、眼科医も販売店員もタンパク質除去の説明をせず、洗浄液での洗浄でいいと説明をしていた。その後、原告は目の不調を訴えて被告の眼科医で複数回診察を受けているが改善せず、原告らを訴えるに至った。
    判決内容
    判決では、当該コンタクトレンズの危険性や適切な使い方などについて、被告側に告知・説明する義務があるとして、その後の以上を知った後は使用の中止を指示する義務があったともしている。また、原告が使用を続けたことで症状を悪化させたと認めたうえで、原告側の対応が適切でなかったために、過失相殺は認められなかった。
    認容額(賠償額)
    425万余円
  • 販売・小売業における訴訟・判例3「コンビニエンスストア店内での転倒事故」

    コンビニの床掃除が原因でケガをした損害賠償事案

    • 事件名:コンビニエンスストア店内での転倒事故
    • 提訴年月日:-
    • 裁判所:大阪高裁
    • 原告:消費者
    • 被告:コンビニチェーンのフランチャイザー
    訴訟内容
    コンビニエンスストアに来店した原告が、掃除後の濡れたままの床に滑って転倒、筋組織を負傷するほどのケガを負ったという事件。原告は事故に遭った当該店舗のFCオーナーではなく、本部であるフランチャイザーを相手取って訴訟を起こした。
    請求額
    -
    争点
    争点となったのは主に3点。事故原因は店舗の清掃にあったのか、原告本人の自招事故なのか。店舗側に責任があるとして、店舗とFC本部のどちらに注意義務があるのか。そして、FC本部には安全指導や監督義務があるのかどうか。
    判決内容
    大阪地裁の一審では原告の靴が滑りやすい状態だったことなども考慮して請求が棄却された。それが、高裁では一転、事故原因は店舗の清掃にあるとした。また、注意義務については店舗に責任があり、FC本部の不法行為責任はないとしたが、安全指導においては本部としての不法行為責任があるとした。
    認容額(賠償額)
    200万円(ただし過失相殺により5割減額)
  • 販売・小売業における訴訟・判例4「輸入瓶詰オリーブによる食中毒」

    ボツリヌス菌が混入、輸入会社と飲食店の責任を問う

    • 事件名:輸入瓶詰オリーブによる食中毒
    • 提訴年月日:-
    • 裁判所:東京地裁
    • 原告:複数の消費者
    • 被告:レストラン経営者及び瓶詰オリーブ輸入会社
    訴訟内容
    レストランで食事をして食中毒に遭い、瓶詰オリーブからボツリヌス菌が検出された事件。被害に遭った消費者はレストラン経営者と瓶詰オリーブ輸入会社を訴えたが、レストランも製造物責任で瓶詰オリーブ輸入会社を訴えたというケース。
    請求額
    -
    争点
    原告のひとりはレストラン経営者と輸入会社とを債務不履行もしくは製造物責任で損害賠償を求め、他の消費者とレストラン経営者は輸入会社を被告として医療費や慰謝料などの損害賠償を求めた。一方、輸入会社は瓶の開封後にボツリヌス菌が混入したのではないかと主張した。
    判決内容
    裁判所の判断では、当件のB型ボツリヌス菌が国内でほぼ検出されないことなどを理由に、輸入会社の製造物責任及び損害賠償責任を認めた。レストラン経営者については、当該製品を試食して問題がないことを確認していることから、注意義務違反はないとした。
    認容額(賠償額)
    -
  • 販売・小売業における訴訟・判例5「モンシュシュ(堂島ロール)事件」

    小売業と飲食業とで同一商法を巡っての争い

    • 事件名:モンシュシュ(堂島ロール)事件
    • 提訴年月日:-
    • 裁判所:大阪高裁
    • 原告:洋菓子メーカー
    • 被告:洋菓子販売店
    訴訟内容
    「モンシュシュ」という商標を巡って、関西の洋菓子メーカーと洋菓子販売店とが争ったケース。「菓子、パン」で登録商標を持っていた洋菓子メーカーが原告となり、「ケーキ、菓子を主として飲食物を提供する」とった指定役務でモンシュシュの商標権利を持つ株式会社モンシュシュ(当時)が被告となった。
    請求額
    -
    争点
    原告の訴えとしては、被告が店頭表示や包装紙、広告などで「モンシュシュ」という商標を使っていたことから、差止めと損害賠償を目的として訴えを起こした。一方、被告側は店舗でも社名を使えなくなる点などを争った。
    判決内容
    裁判の結果としては、被告側が「モンシュシュ」を商号としていたことも検討されたが、最終的に被告の商標侵害が認められた。株式会社モンシュシュはその後、モンシェールと社名変更しており、商標における商品とサービスの類似性がいかに複雑かを知らしめた。
    認容額(賠償額)
    -

万が一訴訟になっても困らないために

店舗での事故や販売後の商品に対する責任にも備える

販売業や小売業は、消費者に満足してもらうためにニーズに合致した製品を選んで提供する立場にあります。製造物による責任はないとの思い込みは極めて危険です。実際に訴訟を起こされてしまった際、会社が倒産してしまうような事態にもなりかねないことを、しっかりと理解しておきましょう。

企業の取り組みとして、安全への配慮を入念に心掛けておく必要があります。徹底のためにも、賠償責任保険に加入して万が一の場合に備えておくべきでしょう。多額の損害賠償を請求されてしまった場合であっても、かかる費用を補償してくれるため、リスクに着実に対応することができるようになるからです。販売業や小売業は不特定多数のお客様に接するため、広範囲へ対応する賠償責任保険に加入し、あらゆるリスクをカバーできるようにしておきましょう。

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